アメリカ 殺人が前年比30%増 コロナによる社会不安など背景か

去年、アメリカで起きた殺人は2万1000件余りと前の年に比べて30%近く増えたことがFBI=連邦捜査局の統計で分かりました。アメリカメディアは統計を取り始めて以来、最大の増加率だとしていて、新型コロナウイルスの感染拡大による社会不安などが背景にあるという見方を伝えています。

FBIが27日に発表した去年の犯罪統計によりますと、全米で起きた殺人は推計2万1570件で、1万6669件だった前の年に比べて4901件、率にして29.4%の増加となりました。

複数のアメリカメディアによりますと、これは1960年代に統計を取り始めて以来、最大の増加率だということです。

このうち銃が使われた割合はおよそ77%と、5年前から9ポイント余り増加しています。

アメリカでは去年、銃の購入が急増していて、ニューヨーク・タイムズなどは新型コロナウイルスの感染拡大による社会不安を背景に、銃を持つ人が増えたことが殺人の増加につながったのではないかという専門家の見方を伝えています。

FBIの犯罪統計は全米の捜査機関からの報告をもとに集計されますが、1万8000余りの機関のうちデータを提出していない機関も2000以上あることから、実際の件数はさらに多い可能性もあります。