「徴用」問題 差し押さえ資産 売却認める初の決定 韓国裁判所

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国の地方裁判所は、賠償を命じられた三菱重工業が韓国国内で差し押さえられた資産の一部について売却を認める決定を出しました。
この問題で、韓国の裁判所が日本企業の資産の売却を認める決定を出したのはこれが初めてで、三菱重工業は極めて遺憾だとして即時抗告を行うことにしています。

韓国の最高裁判所は2018年、三菱重工業に対して「女子勤労てい身隊」として戦時中に過酷な労働を強いられたと訴えた韓国人女性らへの賠償を命じる判決を言い渡しました。

その後、三菱重工業が韓国国内に持つ特許権と商標権が差し押さえられていて、司法関係者によりますと、中部・テジョン(大田)の地方裁判所は27日、こうした資産の一部について売却を認める決定を出したということです。

韓国の裁判所が「徴用」をめぐる問題で日本企業の資産の売却を認める決定を出したのは、これが初めてです。

三菱重工業は「日韓両国間および、その国民の間の請求権に関する問題は、日韓請求権協定により『完全かつ最終的に解決』され、いかなる主張もできなくなったと理解しており、極めて遺憾。即時抗告をするほか、政府とも連絡をとりつつ適切な対応をとっていきたい」とコメントしています。

この問題で、韓国の最高裁判所は日本製鉄に対しても2018年に賠償を命じる判決を言い渡し、その後、日本製鉄が韓国で保有する株式の売却に向けた手続きが進められています。

「徴用」の問題について、日本政府は1965年の日韓請求権協定に基づき解決済みで、日本企業に賠償を命じた判決と関連する司法手続きは国際法違反だとして、韓国政府に違反状態の是正を求めています。

外務省幹部「今後の状況を注視」

外務省幹部はNHKの取材に対し「こうしたケースでの韓国の手続きは複雑で、最終的に資産が売却されるかどうかはまだ分からない。今後の状況を注視したい」と述べました。