約2億円流出の疑い 日大理事 送金先の変更を指示か

日本大学の付属病院の建て替え工事をめぐって、大学の理事がおよそ2億円を外部に流出させた疑いが持たれている事件で、この理事が、業務を受注した設計事務所に対し、大阪の医療法人が関係する都内の会社におよそ2億円を送金するよう指示していた疑いがあることが関係者への取材で分かりました。

当初は大学の子会社にコンサルタント料などとして支払われる方向で調整が進められていたということで、東京地検特捜部は理事が主導して送金先が変更されたとみて、経緯の解明を進めているものとみられます。

日本大学医学部附属板橋病院の建て替え工事をめぐっては、大学の子会社「日本大学事業部」の役員も務める理事が、大学側からおよそ2億円を不正に流出させた背任の疑いがあるとして、東京地検特捜部は今月8日、大学の本部や田中英壽理事長(74)の自宅などを関係先として捜索しました。

関係者によりますと、大学側は去年、工事の設計業務などを都内の設計事務所に24億円余りで発注し、このうちおよそ7億円が前払い金として支払われました。

一方、設計事務所は当初、この工事に関連したコンサルタント料などとして「日本大学事業部」に2億円を支払う契約を結ぶ方向で、窓口を務めていた理事と調整を進めていたということです。

しかし、その後、理事が、契約先を大阪の医療法人が関係する都内の会社に変更するよう設計事務所に指示していた疑いがあることが新たに分かりました。

設計事務所は、この会社と契約を交わし、およそ2億円を送金しましたが、支払いに見合うコンサルタント業務は行われていないということです。

特捜部は、理事が主導して送金先が変更されたとみて、詳しい経緯の解明を進めているものとみられます。

日大医学部附属板橋病院 建て替え計画とは

日本大学医学部附属板橋病院は1000床余りの病床がある大規模な総合病院で、今の建物は50年以上前の1970年に開業し、老朽化が進んでいることから建て替え工事が計画されています。
その詳細は公表されていませんが、NHKが入手した内部資料によりますと、新病院は地上7階・地下2階、延べ床面積は7万8000平方メートルで、今と同じ敷地内に医学部などと併せて建て替えられる計画です。

関係者によりますと、設計業者の選定は、日大側が価格や提案力を総合的に評価する「プロポーザル方式」で行い、4社が応募して、去年、都内の設計事務所が24億円余りで受注しました。

内部資料では、新病院の建設工事は5年後の2026年にスタートし、2029年の使用開始を目指すとしています。