“自由で開かれたインド太平洋に” 「クアッド」が共同声明

日本、アメリカ、オーストラリア、インドのクアッド=4か国による首脳会合のあと、議論の成果を盛り込んだ共同声明などが発表されました。

それによりますと、今回の首脳会合の機会に自由で開かれたインド太平洋に改めてコミットするとしたうえで、覇権主義的行動を強める中国を念頭に、国際法に根ざし、威圧にひるまず、自由で開かれ、ルールに基づく秩序を推進するとしています。

そして新型コロナウイルス対策をめぐって全世界で公平なワクチンへのアクセスを確保するため、国際的な枠組みを通じて資金供与されたワクチンに加えて、12億回分を超える安全で有効なワクチンを供与するとしているほか、生産の拡大を確保するとしています。

また気候変動について、2050年までのカーボンニュートラルを達成するため、水素などのクリーンエネルギーの導入などに取り組むとしています。

さらに高速・大容量の5Gや次の世代の通信規格といった重要技術に関し、技術の設計や開発、利用などの原則を取りまとめたほか、インフラについての新たなパートナーシップを立ち上げ、半導体や重要部品のサプライチェーンを強化するとしています。

またサイバーセキュリティーの分野では、サイバー上の脅威と戦い重要インフラを保全するための専門家によるグループを発足させるとしています。

このほか宇宙分野では、気候変動の監視や災害対応などのために衛星データを共有するとしています。

また教育分野での協力をめぐって奨学金制度を新たに創設し、アメリカで科学、技術、工学、数学といった分野の研究を行う4か国の大学院生を対象に、毎年、合わせて100人に奨学金を支給するとしています。

またアフガニスタンをめぐって、出国を希望するすべての人たちへの安全な通行の提供と女性や児童、そして少数派を含むすべてのアフガニスタン人の人権を尊重するようタリバンに求めるとしています。

北朝鮮については、国連の安保理決議に従い完全な非核化へのコミットメントを再確認し、国連の義務に従って挑発行為を控え、実質的な対話に関与するよう求めるほか、日本人拉致問題の即時の解決の必要性を確認するとしています。

そして今後、クアッドの首脳と外相の会合を毎年開催するほか、高級実務者が定期的に会合を開催するとしています。