ワクチン接種「日本では12月以降に3回目のタイミング」専門家

アメリカのCDC=疾病対策センターは、製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンについて、65歳以上の人や、18歳以上で重症化リスクが高い人、それに感染リスクが高い職場で働く医療従事者などが3回目の接種の対象になると発表しました。

これについて、厚生労働省の専門家会合のメンバーで国際医療福祉大学の和田耕治教授は「3回目の接種は日本でも必要になってくるのではないか」としたうえで「ことし4月に多くの人で接種が完了した医療従事者では、ことし12月以降に3回目接種のタイミングが来るのではないか」と指摘しました。

国際医療福祉大学の和田耕治教授は、新型コロナウイルスのワクチンの3回目の接種について「多くの人が接種したイギリスなどの最新状況を見ていると、ここ最近、75歳以上の高齢者でコロナウイルスに感染して入院する事例が増加している傾向がある。高齢者施設での感染対策が緩んできているなど複合的な原因が背景にあるとは思うが、ワクチンの効果が少し下がってきていることも原因の一つとして考えられる。日本でも今後、同じようなことが起きる可能性があり、やはり3回目の接種は国内でも必要になってくるのではないか」と述べました。

そのうえで「3回目接種の対象としては、日本でも医療や介護に従事する人や65歳以上の高齢者、それに、持病がある重症化リスクの高い人などが優先されるべきだ。3回目のワクチン接種を行う時期について、海外の研究などから2回目の接種が終わってからおおよそ8か月後という目安ができはじめていて、そこから考えるとことし4月に多くの人で接種が完了した医療従事者では、ことし12月以降に3回目接種のタイミングが来るのではないか」と指摘しました。

その一方で和田教授は、まず最も優先されるべきは、2回のワクチン接種だと強調したうえで、「日本では、2回接種がまだ進んでいる最中だが、ここにきて接種数の伸びが少し緩やかになってきている。どこに行けば打てるのか分からないという人や、接種券を無くしてしまって打てていないという人もでてきている。自治体からもう一度きめ細かい情報発信をしてもらい、ワクチンへのアクセスをよくしてもらう取り組みが必要だ」と述べました。