伝統の「車田」の稲刈り コロナで観光客なく静かに 岐阜 高山

岐阜県高山市の観光施設で、伝統の「車田(くるまだ)」の稲刈りが行われました。

例年は多くの観光客でにぎわいますが、ことしはコロナ禍で訪れる人のいない静かな稲刈りとなりました。

三重県の伊勢神宮に奉納される米を栽培していたと伝えられる「車田」は、稲を円形に植えた田んぼで、かつては全国各地にありましたが、いまでは、高山市と新潟県佐渡市の2か所しか残っていないとされています。

高山市の観光施設「飛騨の里」はこの車田を再現し、観光客向けに稲刈りの作業を公開していますが、ことしは新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で今月末まで臨時休館しています。

このため、例年なら多くの観光客でにぎわうはずの車田の稲刈りは、訪れる人のいない静かな稲刈りとなりました。

もち米が植えられた直径13メートルほどの車田では、はっぴ姿にかさをかぶった職員らが外側から中心に向かって稲刈りを行っていきました。

「飛騨の里」の今村玲子総務部長は「稲は例年並みに実りました。きょうは寂しい稲刈りですが来年はたくさんの客に来てもらいたい」と話していました。