科学・文化

米の医学賞「ラスカー賞」にコロナワクチン開発貢献カリコ氏ら

アメリカで最も権威ある医学賞とされる「ラスカー賞」のことしの受賞者に、新型コロナウイルスワクチンの開発で大きな貢献をしたドイツのバイオ企業、ビオンテックのカタリン・カリコ氏ら2人が選ばれました。
ニューヨークのラスカー財団は24日、ラスカー賞の臨床分野の受賞者にハンガリー出身で、ドイツのバイオ企業ビオンテックの上級副社長を務めるカタリン・カリコ氏とアメリカ、ペンシルベニア大学教授のドリュー・ワイスマン氏の2人を選んだと発表しました。

カリコ氏らは人工的に作り出した遺伝物質のmRNAをヒトの体内で異物と認識されないようにして機能させる方法を発見し、全く新しいタイプのワクチン「mRNAワクチン」の開発に大きく貢献しました。

これによってドイツのバイオ企業ビオンテックと製薬大手ファイザーが、有効性の高い新型コロナウイルスワクチンを短期間のうちに作り出すことが可能になったことなどが評価されました。

ラスカー賞は受賞した研究者から多くのノーベル賞の受賞者が出ていることでも知られ、カリコ氏らもノーベル賞の候補として注目を集めています。

「実験は失敗したとしても 何かを教えてくれる」

ラスカー賞に選ばれたことについて、カリコ氏は「賞に選ばれて、これまでの長い道のりに思いをはせています。実験は失敗したとしても何かを私たちに教えてくれます。私は治療に適したRNAを作り出しましたが、世界的な大流行に打ち勝つためのワクチンの開発に活用されるとは想像していませんでした」と喜びを語りました。

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