新型コロナ 開業医が自宅療養者をケア 保健所業務も 大阪 堺

新型コロナウイルスの感染拡大で入院調整などを行う保健所がひっ迫し、自宅で療養する人が重症化するのを防ぐため、大阪 堺市の医師会は地域の開業医が保健所の業務も担いながら、コロナ患者のケアにも当たる取り組みを始めています。

大阪 堺市は感染が急拡大した第4波の際、保健所の業務がひっ迫し入院調整や自宅療養者の健康観察などを十分に行うことができず、大きな課題を残しました。

堺市の医師会は、府や保健所による入院調整が遅れて自宅で重症化したり死亡したりする事態を防ぐため、地域の開業医が直接自宅療養者のケアに当たる、保健所に依存しない新たな仕組み作りに取り組んでいます。

具体的には、地域の診療所で行ったPCR検査で陽性と確認された患者が自宅療養となった場合、これまでは医師から連絡を受けた保健所が患者の容体を確認するなどしていました。

新たな仕組みでは、診療所の医師が直接、患者の健康相談や電話診療に当たるほか、必要な場合は往診をしたり、薬を処方して患者のもとに届けたりするということです。

堺市の一部の診療所がこの仕組みを通じてケアに当たっていて、参加する小田真医師は「医療崩壊を招かないためには、診療所などの身近な医療機関が自宅療養者の医療支援を行うことが重要だ。保健所や規模の大きい病院だけに任すのではなく、それぞれの医師ができることをやっていく必要がある」と話していました。