国連総会 途上国首脳ら ワクチン格差に危機感訴える声相次ぐ

ニューヨークで開かれている国連総会では、新型コロナウイルスのワクチンをめぐって、先進国と途上国との間で格差が広がっている現状について、各国の首脳から危機感を訴える声が相次ぎました。

21日から始まった国連総会の一般討論演説では、冒頭グテーレス事務総長が新型コロナウイルスのワクチンについて「いくつかの国ではあり余っているのに、ほかの国では全く行き届いていない。裕福な国では多くの人が接種を完了したが、アフリカでは90%以上の人々が1回目の接種を待っている」と述べ、ワクチンをめぐる格差への懸念を示しました。

そのうえで「政治的な意思の欠如や利己主義、不信感がもたらした悲劇だ」と述べ、先進国などに対しワクチンの公平な分配に取り組むよう強く求めました。

このあと、途上国の首脳から危機感を訴える声が相次ぎ、ソマリアのファルマージョ大統領は「パンデミックはいま私たちの世界が恐ろしいほど不平等であることをあらわにした。先進国と途上国の間で人々の機会に非常に大きな格差があり、私たちのような国ではほとんどの国民にワクチンを接種することができず、苦しんでいる」と訴えました。
また、中米コスタリカのアルバラド大統領も「世界の何百万人もの貧しい人々がワクチンを待ち続けている」としたうえで、WHO=世界保健機関などが主導する国際的な分配の枠組み「COVAXファシリティ」について、「期待されていた機能を果たしておらず、ワクチンへのアクセスは不平等なままだ」と強い不満を示しました。