スリランカ人を裁判受けさせず強制送還は憲法違反 東京高裁

難民申請を退けられたスリランカ人の男性2人が、決定を不服とする裁判を起こす時間を与えられずに、当時の入国管理局によって強制送還されたとして、国に賠償を求めた裁判で、東京高等裁判所は「憲法が保障する裁判を受ける権利を侵害した」と指摘し、合わせて60万円の賠償を命じました。

訴えていたのは、日本で生活していたスリランカ人の40代と50代の男性2人です。

弁護団によりますと、2人は難民申請が認められなかったことについて東京入国管理局に異議を申し立てましたが、平成26年、入管から異議を退ける決定を告げられた半日余りあとに、集団でチャーター機に乗せられ、強制送還されたということです。

これについて、決定を不服とする裁判を起こす時間を与えられなかったとして、国に賠償を求め、1審の東京地方裁判所は、訴えを退けていました。

22日の2審の判決で、東京高等裁判所の平田豊裁判長は「入管の職員は、集団での強制送還を円滑に実施するために、決定を直前まで知らせず、裁判を受ける機会を奪った。憲法が保障する裁判を受ける権利を侵害し、違法だ」と指摘し、国に合わせて60万円の慰謝料の支払いを命じました。

弁護団によりますと、強制送還をめぐって憲法違反とする判断は初めてとみられ、指宿昭一弁護士は「入管の対応についてさまざまな問題点が指摘されている中で、裁判所が憲法違反に踏み込んだことは、非常に大きな意味を持つ」と話しています。

出入国在留管理庁「適切に対応したい」

出入国在留管理庁は「判決の内容を十分に精査し、適切に対応したい」とコメントしています。