ことしの春 コロナ影響などで内定取り消し 感染拡大前の4倍に

ことしの春に就職を予定していたものの、新型コロナウイルスの影響などで企業から内定を取り消された大学生や高校生は全国で136人に上ったことがわかりました。感染拡大前のおととし春と比べて4倍近くに増えていて、厚生労働省は支援を強化しています。

厚生労働省は、業績悪化などを理由に就職の内定を取り消されたケースについて、ハローワークを通じて把握を進めています。

それによりますと、ことしの春に就職を予定していたものの、新型コロナウイルスの影響などで企業から内定を取り消されたのは、
▽大学生や短大生、専門学校生が116人
▽高校生が20人の合わせて136人に上りました。

去年の春に就職を予定し、内定を取り消されたのは211人で、これよりは減少しましたが、感染拡大前のおととし春の35人と比べると4倍近くに増えています。

業種でみると、
▽「卸売・小売業」が75人
▽「製造業」が19人などとなっています。

地域別では、
▽東京と埼玉、千葉、神奈川の「南関東」が82人と最も多く、
▽愛知、岐阜、三重、静岡の「東海」が16人などとなっています。

内定を取り消された136人のうち、新たな就職先が見つかったと確認できたのは、ことし8月末の時点で99人となっています。

厚生労働省は、ハローワークなど全国56か所に専用の相談窓口を設置し、支援を強化するとともに、企業に対して、最大限の経営努力をして内定の取り消しを防ぐよう引き続き呼びかけています。

入社も 自宅待機や入社時期の延期も

ことしの春に就職を予定していた大学生や高校生のうち、新型コロナウイルスの影響などで、入社をしたものの、休業などで一定期間、自宅待機を余儀なくされたのは35人、入社の時期が延期されたのは122人となっています。

厚生労働省によりますと、入社の時期が延期された122人のうち、27人は、ことし8月末の時点でも入社できない状態が続いているということです。