仏外相 豪潜水艦計画破棄で「欧州独自のインド太平洋戦略を」

オーストラリアがアメリカなどとのインド太平洋地域をめぐる新たな安全保障の枠組みに伴ってフランスとの潜水艦の開発計画を破棄した問題で、フランスのルドリアン外相は、突然の計画破棄を改めて批判するとともに、ヨーロッパ独自のインド太平洋戦略を進めていくべきだという考えを示しました。

アメリカとイギリス、オーストラリアの3か国は、中国を念頭に「AUKUS(オーカス)」と呼ばれるインド太平洋地域の新たな安全保障の枠組みを創設し、オーストラリア初の原子力潜水艦の配備を支援することを決めました。

これに伴ってオーストラリアがフランスと共同で進めてきた潜水艦の開発計画を破棄し、フランスは、アメリカとオーストラリアに駐在する大使の召還を決めるなど強く反発しています。

国連総会に出席するため、アメリカを訪れているフランスのルドリアン外相は20日、記者会見し「問題は同盟国の間で信頼関係が壊されたことだ」と述べ、突然の計画破棄を改めて批判しました。

そのうえで、アメリカなどのインド太平洋戦略について「中国に極めて対立的だ」と指摘し、ヨーロッパ独自のインド太平洋戦略を進めていくべきだという考えを示しました。

この問題をめぐっては、アメリカとフランスの首脳による電話会談が近く行われる予定で、両国の溝が埋まるのかどうかが注目されます。

米報道官“同盟国との関係 揺るぎはない”と強調

近く行われる予定のアメリカとフランスの首脳による電話会談について、アメリカ・ホワイトハウスのサキ報道官は20日の記者会見で「バイデン大統領は、最も古くからの、そして親しいパートナーの一つであるフランスとともに、国際社会が直面する幅広い課題に取り組んでいくことを再確認する」と述べ、インド太平洋地域の安全保障などを巡り、両国の同盟関係を再確認する機会になるという見通しを示しました。

またサキ報道官は「同盟関係にあるからといって世界で起きる問題について意見の相違がないということではない」と述べ、同盟国や友好国との関係に揺るぎはないと強調しました。