インド コロナワクチンの国外への供給 年内に再開の方針

新型コロナウイルスのワクチンの製造拠点のひとつとなっているインドは、国内での爆発的な感染拡大を受けて停止していたワクチンの、国外への供給を年内に再開させる方針を明らかにし、ワクチンが不足している途上国に供給が進むと期待されています。

インドは新型コロナウイルスのワクチンの製造拠点のひとつで、インド政府は、国内で製造されたアストラゼネカのワクチンを他国に無償で提供したり輸出したりしてきましたが、爆発的な感染拡大によって国内のワクチン需要が高まり、4月下旬以降は国外への供給を停止していました。

インドの1日当たりの感染者は5月上旬には40万人以上に上りましたが、現在は3万人前後にまで減り、マンダビヤ保健・家族福祉相は20日、声明を発表し、国外へのワクチンの供給を年内に再開させる方針を明らかにしました。

ワクチンの製造も加速していて、今後、月に3億回分のワクチンを製造できる見込みだということです。

WHO=世界保健機関などが主導する枠組み「COVAXファシリティ」を通じて、ことし前半に世界に分配される計画だったワクチンの7割をインドが供給する予定だったため、それが停止されたことは、途上国を中心にワクチンの確保が遅れる要因のひとつとなっていました。

供給再開の具体的な時期や量は明らかになっていませんが、インド政府はCOVAXファシリティへの責任を果たすとしていて、今後、途上国などにワクチンの供給が進むと期待されています。