高校生対象の採用試験 求人は感染拡大前より20%余り減少

来年の春に就職を希望する高校生を対象にした企業などの採用試験が今月16日から始まりました。企業などからの求人は感染拡大前と比べて20%余り減少していて、就職支援会社は「生徒からは就職できるのかという不安の声が多く聞かれ、関係機関が連携し支援を続けることが重要だ」と指摘しています。

高校生の採用試験は新型コロナウイルスの影響で去年は1か月遅れのスタートとなりましたが、ことしは例年どおり今月16日から全国一斉に始まりました。

感染防止の対策を徹底したうえで各地の企業で対面形式の面接や筆記などの試験が行われたほか、オンラインで面接を実施した企業もあります。

厚生労働省によりますと、来年の春に就職を希望する生徒に対する企業などからの求人は、ことし7月末の時点で去年の同じ時期より2.9%増加しました。

ただ、おととしの同じ時期と比べると22.1%減少していて、感染拡大前の水準には戻っていません。

業種別でみると、全体のおよそ3割を占める「製造業」は去年の同じ時期に比べ12%増加した一方で、感染拡大の影響を受けている「宿泊業・飲食サービス業」は7.3%減少しています。

おととしの同じ時期と比べると「製造業」は20.3%、「宿泊業・飲食サービス業」は53.3%、それぞれ減少しています。

高校生の就職活動を支援する会社「ジンジブ」の佐々木満秀社長は「生徒からは『本当に就職できるか』とか『希望の職種につけるのか』という不安の声が多く聞かれます。若い人材を採用したい企業の情報をできるだけ多く生徒に届け選択肢を増やすことで不安は解消できると思います。行政や学校、民間の支援会社が連携し生徒の支援を続けることが重要です」と話していました。