新型コロナ感染第5波 50代以下の現役世代の死亡割合が増加

新型コロナウイルスの感染の第5波では、50代以下の現役世代で亡くなった人が占める割合がおよそ17%と、それ以前の感染拡大時より高くなっていることが分かりました。専門家は、ワクチン接種の効果で高齢者の死亡が抑えられてきたため、接種が進んでいない50代以下の割合が増えているとしています。

厚生労働省が出しているデータをもとに、感染の第5波の時期、ことし6月30日から9月8日までに亡くなった人について、年代別にみると、50代以下は194人、60代以上は964人で、50代以下は年代が分かっているうちの16.8%となっていました。

感染拡大の波ごとにみますと、第1波の時期、去年5月下旬までに亡くなった人は60代以上が648人、50代以下が57人で8.1%、第2波の時期、去年7月から9月に亡くなった人は、60代以上が536人、50代以下が24人で4.3%、第3波の時期、去年10月からことし3月初めまでに亡くなった人は、60代以上が5619人、50代以下が175人で3.0%、第4波の時期、ことし3月初めから6月下旬までに亡くなった人は60代以上が4538人、50代以下が178人で3.8%でした。

亡くなった人に占める50代以下の割合は、第5波では、第1波と比べるとおよそ2倍、第3波と第4波と比べても4倍以上に増えていて、亡くなる人は高齢者が依然多いものの、ワクチンの効果で全体に占める割合は減っています。
新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は「接種が進んでいない50代以下の世代では、亡くなる人の実数は大きく変わらないものの、割合が増えている。今後、接種が進んで亡くなる人は減るかもしれないが、再び感染して広げてしまうリスクもあるので、しばらくは対策を継続することが重要だ」と話しています。