コロナ感染の妊婦 全国540か所で対応も 緊急入院対応可は約4割

新型コロナウイルスに感染した妊婦の受け入れができる医療機関は、全国で540か所余りだった一方、緊急入院に対応できる医療機関は、およそ4割だったことが国の緊急の調査で分かりました。

先月、千葉県柏市では、新型コロナウイルスに感染して自宅で療養中だった妊婦が、体調が悪化してからも入院先が見つからずに自宅で出産し、救急搬送された赤ちゃんは亡くなりました。

これを受け厚生労働省は、感染した妊婦の受け入れ態勢について、都道府県に緊急の調査を行いました。

それによりますと、先月20日時点で、すべての都道府県が「感染した妊婦を受け入れる医療機関を設定している」と回答し、受け入れが可能な医療機関の数は全国で合わせて544か所でした。

一方、早産や脳出血などで母体や胎児に生命の危険が迫った場合、直ちに入院できる医療機関は225か所で、全体の41%でした。

都道府県別では、
▽千葉県が11か所、
▽岩手県が10か所の医療機関すべてで緊急入院に対応できると回答したのに対し、
▽北海道では28か所のうち3か所、
▽東京都は76か所中6か所でした。

また、産婦人科の医師が感染して診療が困難になった場合に、別の医療機関から医師の派遣を受ける体制については、
▽36都道府県が「検討済み」
▽宮城県や京都府など9府県が「検討中」と回答しました。

厚生労働省は、新型コロナウイルスの流行の状況にかかわらず、感染した妊婦が速やかに入院できる体制を常に確保するよう都道府県に求めています。