「徴用」問題 三菱重工業の再抗告 一部退ける 韓国最高裁

太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国の最高裁判所は賠償を命じられた三菱重工業が資産差し押さえを不服として行った「再抗告」を一部退け、資産売却に向けた手続きが進んでいます。

韓国の最高裁判所は2018年、三菱重工業に対して「女子勤労てい身隊」として戦時中に過酷な労働を強いられたと訴えた韓国人女性らへの賠償を命じる判決を言い渡しました。

その後、訴えを起こしていた4人が三菱重工業が韓国に持つ特許権と商標権の差し押さえを申し立て、韓国の地方裁判所がこれを認める決定を出していました。

会社側は、決定を不服として4人の申し立てに基づく決定それぞれについて裁判所に「即時抗告」し、これまでに退けられたものは再び手続きの差し止めを求める「再抗告」をしていました。

これについて最高裁判所は今月10日付けで「再抗告」の一部を退ける決定をして、13日、決定を伝える書類が会社側に発送されたということで、資産売却に向けた手続きが進んでいます。

「徴用」の問題について日本政府は、1965年の日韓請求権協定に基づき解決済みで、日本企業に賠償を命じた判決と、関連する司法手続きは国際法違反だとして、韓国政府に違反状態の是正を求めています。

三菱重工業「今後も適切に対応していきたい」

これについて三菱重工業は「日韓両国間およびその国民の間の請求権に関する問題は、日韓請求権協定により『完全かつ最終的に解決』され、いかなる主張もできなくなったと理解している。政府間のやりとりの現状なども踏まえ、今後も適切に対応していきたい」とコメントしています。

加藤官房長官「受け入れ可能な解決策を」

加藤官房長官は午後の記者会見で「韓国の国内手続きの一つ一つについて、コメントしないと従前からも申し上げているが、旧朝鮮半島出身労働者問題にかかる韓国大法院判決や関連する司法手続きは明確な国際法違反だ」と述べました。

そのうえで「仮に現金化に至ることになれば、日韓関係にとって深刻な状況を招くので、避けなければならないということは、これまでも日本側から韓国側に繰り返し指摘をしている。今後とも、韓国側に、早期に日本側にとって受け入れ可能な解決策を示すよう強く求めていく」と述べました。