自民党総裁選 立候補表明の3氏 政策めぐる論戦も始まる

自民党総裁選挙に立候補を表明している岸田前政務調査会長、河野規制改革担当大臣、高市前総務大臣の3人は、ミサイル防衛に対するみずからの考えを明らかにするなど、今週17日の告示を前に、政策をめぐる論戦も始まっています。

岸田氏 「靖国参拝 立場に適切な示し方考えたい」

自民党の岸田前政務調査会長は午後、日本外国特派員協会で記者会見し、総理大臣になった場合に、靖国神社に参拝するか質問されたのに対し、「国のために尊い命をささげた方々に尊崇の念を示すことは、政治家にとって大切な姿勢だが、尊崇の念の示し方は、それぞれが考えていくことだ。私が総理大臣になった場合には、立場に適切な示し方を考えていきたい」と述べました。

また、歴史認識について、戦後70年に安倍内閣が閣議決定した総理大臣談話に触れ「この談話は大変重く、基本的にはその線にそって国際社会に思いや考えを訴えていかなければならない」と述べました。

一方、日本学術会議が推薦した会員候補が任命されなかったことについては「人事の撤回は考えないが、今後、人事への指摘があった際には、考え方をしっかり説明しなければならない。日本学術会議の在り方の議論は進めていくべきだ」と述べました。

また、きょうは合わせて3回、地方議員や企業の経営者らとオンラインで意見を交わしました。

このうち午後は、岸田氏への支援を表明している谷垣グループの遠藤元オリンピック・パラリンピック担当大臣とともに、遠藤氏の地元、山形県の県議会議員ら10人余りと意見を交わしました。

この中では、新型コロナの影響で需要が落ち込み、コメの価格が下落していることへの対応を求める意見が出され、岸田氏は「特に東北地方では米価は大変深刻な問題で、皆さんの思いをしっかり受け止めないといけない。国としてコメをどう引き取っていくか、具体的に考えないといけない」と応じました。

また、これに先立って、国会近くの岸田派の事務所には、党広島県連の幹部が訪れ、広島を代表する観光地・宮島の名物として知られる、「必勝」と書かれた高さ180センチの巨大なしゃもじを、派閥の事務総長を務める根本元厚生労働大臣に贈りました。

岸田氏は日本外国特派員協会での講演のため不在でしたが、根本氏は「しっかりと敵を『召し捕る』よう全身全霊をあげて頑張る」と決意を示しました。

河野氏 石破元幹事長訪れ挙党態勢構築に協力要請

河野規制改革担当大臣は夕方、立候補を検討している石破元幹事長の議員会館の事務所を訪れて、およそ20分間、会談しました。

そして、みずからが総裁に就任した場合には、挙党態勢を構築して衆議院選挙などに臨みたいとして、石破氏や石破派の議員からの協力を要請しました。

これに先立って河野氏は、記者団が「石破氏にも支援を求めるのか」と質問したのに対し、「あらゆる方にお願いをするのは当然のことだ」と述べていました。

また、国会内で記者団の取材に応じ、「挨拶回りや電話かけなど、いろいろやっている。多くの方から激励をいただいたり、思いもかけない方から声をかけていただいたり、手応えを感じている」と述べました。

一方、ミサイル防衛をめぐり、いわゆる「敵基地攻撃能力」の保有の是非を問われたのに対し、「ずいぶん前の議論だ。今は多くの場合、ミサイルは、移動式発射台に載って移動するので、『敵基地攻撃』という概念ではなくなってきている。ミサイルを撃ち落とす能力や日米同盟の中で、抑止力をどう高めていくかという議論をしていく時代になっていく」と述べました。

また、防衛予算について、「総額として、増やさざるをえないだろうと思う。どういう脅威に、どう備えていくのか、国民と議論しながら理解をいただいていかなければならない」と述べました。

高市氏 「日本も精密誘導ミサイルを持つべき時期」

高市前総務大臣は夕方、国会内で記者団の取材に応じ、「なかなか知名度が十分ではなく、政策を伝える手段も限られている。これから追い上げていかなければならない」と述べ、テレビやインターネット番組への出演などを通して、幅広く政策を訴えていく考えを示しました。

一方、高市氏は、北朝鮮が長距離巡航ミサイルの発射実験に成功したと発表したことについて「非常に大きな脅威だ。日本も精密誘導ミサイルを持つべき時期に来ているし、敵基地をいかに早く無力化するかの競争になる。サイバー攻撃は今の法律では認められていないが、明らかな発射の兆候があった時にどうするか、現実的な方法を考えていかなければならない」と述べました。

石破氏 「さらに深く考えて結論を出したい」

石破元幹事長は午前中、みずからの議員会館の事務所で麻生派の岩屋元防衛大臣と会談し、党内の情勢などについて意見を交わしました。

午後には、民放の報道番組の収録に臨みました。

石破派は15日、臨時の総会を開くことにしています。

また石破元幹事長は、河野規制改革担当大臣との会談のあと、記者団に対し「河野氏からは支援の要請があった。また『仮に当選したあかつきには、挙党態勢をつくりたい。自民党内で分断が起こるのではなく、国家・国民のために働く党として挙党態勢でいかなければならない』という話があった。どのグループも大事にし、石破派の力も最大限生かしたいという挙党態勢への非常に強い思いを感じた」と述べました。

そのうえで、総裁選挙への自身の対応について「もう残っている時間は長くないので、きょうの話を踏まえて、さらに深く考えて結論を出したい」と述べました。

野田氏 午後には石破氏と約40分間会談

自民党の野田幹事長代行は午前中、東京都内の自宅でみずからを支援する議員らと連絡を取り合いながら、党内の情勢把握を進めました。

また午後には、議員会館の石破元幹事長の事務所を訪れ、およそ40分間、会談しました。

会談では、党内情勢や総裁選挙への対応に加え、立候補に必要な推薦人の確保状況などについて意見を交わしたものとみられます。