イラン “核施設 監視データの記録継続に協力” IAEAと合意

イラン政府はIAEA=国際原子力機関との間で、核施設の監視カメラのデータを継続して記録するために協力することで合意しました。核開発を強化するイランに対する欧米各国からの非難や懸念を和らげたい思惑もあるものとみられます。

IAEAのトップ、グロッシ事務局長は反米・保守強硬派のライシ新政権が発足してから初めてイランを訪問し、12日にエスラミ原子力庁長官と会談しました。

イランはことし2月、IAEAとの間で、核施設に設置された監視カメラのデータを保管することで合意しましたが、IAEAが今月まとめた最新の報告書では「IAEAは動作確認や保存媒体の交換のために機器にアクセスできない」としてイラン側の対応に懸念を示していました。

会談のあと発表された共同声明によりますと、双方はIAEA査察官による監視カメラの保存媒体の交換などを認めることで合意し、監視カメラのデータを継続して記録するために協力することになりました。

一方、記録されたデータは「封印され、イランで保管される」としていて、引き続きIAEAには引き渡されないものとみられます。

イランは2018年にアメリカのトランプ前政権が一方的に核合意から離脱して制裁を再開させたことへの対抗措置として、濃縮度60%のウラン製造を始めるなど核開発を加速させています。

イラン政府としてはIAEAの定例理事会が始まる13日を前に協力姿勢を打ち出し、欧米各国からの非難や懸念を和らげたい思惑もあるものとみられます。

IAEA事務局長「恒久的な解決にならず、一時的な措置」

訪問を終えたIAEAトップのグロッシ事務局長はウィーンで報道陣に対し、「最も差し迫った問題はなんとか乗り越えることができた」と述べて、核施設の監視カメラのデータに関するイランとの合意の成果を強調しました。

ただ、「これは恒久的な解決にはならない。外交に時間を与えるための一時的な措置だ」と説明し、イラン核合意の立て直しに向けて各国に外交努力を呼びかけました。