企業の借金622兆円余 新型コロナ長期化で1年で52兆円増加

新型コロナウイルスの影響が長期化する中、企業が抱える借金の残高が全体で622兆円余りに増え、GDP=国内総生産との比較で115%に上っていることが内閣府のまとめで明らかになりました。この比率はアメリカなどと比べて大幅に高く、内閣府は企業の収益力の強化に向けた政策対応の必要性を指摘しています。

内閣府のまとめによりますと、国内の企業が抱える借金の残高は去年の年末時点で合わせて622兆5240億円と、1年間で52兆円、率にして9%増えました。

新型コロナの影響が長期化する中、政府が設けている実質無利子・無担保融資などの資金繰り支援策を通じ運転資金を借り入れたり、手元資金を厚めにしたりする動きが企業の間に広がっているためです。

企業全体の借金の残高はGDPとの比較で115%となっていて、これはアメリカの84%やイギリスの79%、ドイツの73%を大幅に上回っているということです。

こうした状況を踏まえ、内閣府は日本経済の回復に向けては、コロナ後に消費者の需要が変化しても企業が借金を返せるよう収益力を強化していくことが欠かせないとして、事業の転換を後押しするなどといった政策対応の必要性を指摘しています。