新型コロナ新規感染者 緊急事態宣言対象の全都道府県で減少

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、依然多い状態ではあるものの、東京都など緊急事態宣言が出ている地域を含め、すべての都道府県で減少しています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国平均では

全国では、先月12日までの1週間では前の週と比べて1.24倍、先月19日は1.38倍、先月26日は1.13倍と9週連続で増加していましたが、今月2日には0.84倍とおよそ2か月ぶりに減少に転じ、9日まででは0.64倍とさらに減少しています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ1万2454人となっていて、感染者数は依然、多い状況が続いていますが、緊急事態宣言が出されている21の都道府県を含め、すべての都道府県で減少しています。

東京 神奈川 埼玉 千葉は

東京都は先月19日までの1週間では前の週の1.20倍と9週連続で増加していましたが、先月26日は0.91倍、今月2日は0.72倍、9日まででは0.59倍と3週連続で減少しました。

1日当たりの新規感染者数はおよそ1837人と先週より1300人余り減りました。

直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は92.38人で、依然、多い状態が続いています。

神奈川県は先月26日までの1週間では前の週の1.12倍と9週連続で増加していましたが、今月2日は0.82倍、9日まででは0.58倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ1194人となっています。

埼玉県は先月中旬までは9週連続で増加していましたが、先月26日までの1週間では前の週の0.96倍、今月2日は0.79倍、9日まででは0.60倍と3週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ770人となっています。

千葉県は先月26日までの1週間では前の週の1.05倍で、12週連続で増加していましたが、今月2日は0.86倍、9日まででは0.68倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ858人となっています。

沖縄県は

沖縄県は先月19日までの1週間では前の週の1.26倍と、6週連続で増加していましたが先月26日は0.97倍、今月2日は0.84倍、9日まででは0.72倍と3週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ390人となっています。

それでも、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は187.96人と、全国で最も多くなっています。

大阪 京都 兵庫 滋賀は

緊急事態宣言が出されている関西の2府2県では増加が続いていた大阪府も含め、すべての地域で減少しています。

大阪府は先月26日までの1週間では前の週の1.33倍、今月2日は1.02倍と、9週連続で増加していましたが、9日まででは0.73倍と減少に転じました。

1日当たりの新規感染者数はおよそ1793人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は142.45人と、沖縄県に次いで多くなっています。

京都府は先月26日までの1週間では前の週の1.32倍と9週連続で増加していましたが、今月2日は0.89倍、9日まででは0.70倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数は331人となっています。

兵庫県は先月26日までの1週間では前の週の1.27倍と9週連続で増加していましたが、今月2日は0.97倍、9日まででは0.75倍と減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ689人となっています。

滋賀県は先月26日までの1週間では前の週の1.21倍と8週連続で増加していましたが、今月2日は0.85倍、9日まででは0.50倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ87人となっています。

愛知 岐阜 三重 静岡は

中部地方の4県でも増加が続いていた愛知県も含め、すべての地域で減少しています。

愛知県は先月26日までの1週間では前の週の1.79倍、今月2日は1.16倍と9週連続で増加していましたが、9日まででは0.79倍と減少に転じ、1日当たりの新規感染者数はおよそ1391人となっています。

直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は128.97人で、沖縄県、大阪府に次いで全国で3番目で、東京都よりも多くなっています。

岐阜県は先月26日までの1週間では前の週の1.52倍と7週連続で増加していましたが、今月2日は0.86倍、9日まででは0.63倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ174人となっています。

三重県は先月26日までの1週間では前の週の2.09倍と5週連続で増加していましたが、今月2日は0.75倍、9日まででは0.47倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ141人となっています。

静岡県は先月26日までの1週間では前の週の1.25倍と7週連続で増加していましたが、今月2日は0.89倍、9日まででは0.50倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ239人となっています。

北海道 宮城 茨城 栃木 群馬 岡山 広島 福岡

北海道は先月26日までの1週間では前の週の1.10倍と8週連続で増加していましたが、今月2日は0.69倍、9日まででは0.52倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ182人となっています。

宮城県は先月26日までの1週間では前の週の1.22倍と4週連続で増加していましたが、今月2日は0.65倍、9日まででは0.50倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ74人となっています。

茨城県は先月26日までの1週間では前の週の1.04倍と7週連続で増加していましたが、今月2日は0.78倍、9日まででは0.88倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数は208人となっています。

栃木県は先月26日までの1週間では前の週の1.22倍と6週連続で増加していましたが、今月2日は0.68倍、9日まででは0.73倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ105人となっています。

群馬県は先月26日までの1週間では前の週の1.18倍と8週連続で増加していましたが、今月2日は0.71倍、9日まででは0.48倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ93人となっています。

岡山県は先月26日までの1週間では前の週の1.15倍と8週連続で増加していましたが、今月2日は0.82倍、9日まででは0.59倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ111人となっています。

広島県は先月26日までの1週間では前の週の1.52倍と7週連続で増加していましたが、今月2日は0.84倍、9日まででは0.60倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ171人となっています。

福岡県は先月26日までの1週間では前の週の1.15倍と8週連続で増加していましたが、今月2日は0.83倍、9日まででは0.63倍と2週連続で減少し、1日当たりの新規感染者数はおよそ544人となっています。

専門家「減少傾向を維持し下げきることが重要」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「先週の段階ではまだ大阪府や愛知県など、増加が続いていた地域があったが、今週はすべての地域で減少し、減少傾向がしっかりと見えだしている。ただ、全国の感染者数は依然として1万人前後で重症の患者は全国で今でも2000人を超えていて、決して油断できる状況ではない。今緩んでしまうと早く次の波が来てしまうので、徹底した対策を継続していくことが大事だ」と話しています。

そのうえで「感染者数のベースラインが高いと、次の感染者の増加も高まる可能性がある。減少傾向を数週間にわたって維持して、下げきることが重要だ」と述べました。

さらに今後の行動制限の緩和について舘田教授は「ワクチンを希望する人たちの接種が終わった段階で考えていくのが原則だ。緩和を一気に進めてしまうと、接種率が高いイギリスなどでも再増加がみられている。ワクチンを打った人も含めてしばらくの間は感染対策を徹底し、緩和する場合も段階的な緩和をしていくことが重要になる。ワクチンの接種が終わると、感染しにくくなったと思い安心してしまうが、実際にはまた感染してしまうブレイクスルー感染が多く報告されている。症状は軽いがワクチンを打っていない人と同じようなウイルス量があり、感染を広げてしまうことを考えておかないといけない」と指摘しました。