19都道府県“宣言”延長 西村経済再生相が国会で報告

東京や大阪など19都道府県で緊急事態宣言が今月30日まで延長され、宮城県と岡山県は、まん延防止等重点措置に移行するのを前に国会では、西村経済再生担当大臣が事前の報告を行い、各党による質疑が行われました。

自民党の加田裕之氏は「『抗体カクテル療法』の治療薬のニーズに対して、十分な量を確保できるのか」と質問しました。

西村経済再生担当大臣は「投与の対象となる患者に十分対応できる量を確保していると聞いている。これまでは入院患者のみが対象だったが、宿泊療養施設などで使用する取り組みも各地で進められており、重症化を防ぐ有効な治療薬なので、必要とする方に投与できるよう支援していきたい」と述べました。

立憲民主党の広田一氏は「国会を召集しないことによって、政治空白を作っていることに対する危機意識はないのか」とただしました。

西村大臣は「菅総理大臣には連日のように、私をはじめとする関係閣僚から、今の感染状況や医療体制、ワクチンの接種状況について説明している。菅総理大臣も引き続き強い危機感を持って対応しており、政府として全力を挙げて取り組んでいるところだ」と述べました。

公明党の安江伸夫氏は「濃厚接触者と認定され、仕事を休まざるをえない人に経済的支援をすべきではないか」と質問しました。

西村大臣は「濃厚接触者として自宅待機を求められ、仮に休業せざるをえない場合は企業の社会的責任として、休業手当を支払うのが適当で、政府として雇用調整助成金で支援している。企業が支払わない場合には、従業員個人が申請できる休業支援金があるので、活用を促したい」と述べました。

共産党の塩川鉄也氏は「麻生副総理兼財務大臣の『コロナの問題はまがりなりにも収束した』という発言は不適切だ」と指摘しました。

西村大臣は「これまでもさまざまな機会を通じ、麻生副総理に感染状況や医療の状況を私から説明し、副総理からさまざまな情報もいただいているところだ。今のコロナの状況は厳しく、対応しなければならないことは副総理と共有している」と述べました。

日本維新の会の石井章氏は「ワクチン接種の対象が12歳以上に引き下げられたが、若年層への接種をどう考えているのか」とただしました。

西村大臣は「若年層に接種した際の副反応の疑いのうち、重篤だという報告は極めて低い水準にある。こうしたデータも蓄積されていくので、専門家による分析・評価もしながら、科学的知見に基づく安全性や有効性など、正しい情報を適切に提供することが大事だ」と述べました。

国民民主党の浅野哲氏は「これまでの経験を踏まえ、第5波の次の第6波を防ぐために、何が最も重要か」とただしました。

西村大臣は「ワクチン接種が進んでも、海外の例を見ると、次の波もまた起こる。宣言も長く続くと慣れてしまう面があるので、必要な対策をもう一度しっかり見直し、いわば緊急事態宣言の再定義のようなことを、法律の改正も視野に入れ、検討しなくてはいけないと考えている」と述べました。