SBI HDが新生銀行の株式公開買い付けに踏み切ると発表

ネット金融大手の「SBIホールディングス」は「新生銀行」に対し、TOB=株式の公開買い付けに踏み切ることを発表しました。
およそ1100億円を投じて最大で48%まで株式を買い増す計画ですが、新生銀行は事前の連絡を受けていないとしており、敵対的なTOBになる可能性もあります。

SBIホールディングスは、新生銀行に対し、9月10日から10月25日までの期間でTOBを行うと発表しました。

SBIは、現在、新生銀行の株式のおよそ20%を持つ筆頭株主ですが、TOBで一株当たり2000円、総額およそ1100億円を投じて最大48%まで株式を買い増し、協業分野を広げて収益力の強化につなげる考えです。

SBIは、これまで段階的に株式の買い増しを進め、新生銀行に対して資本業務提携を結ぶよう提案してきましたが、賛同が得られず、逆に新生銀行はSBIとライバル関係にあるマネックス証券と業務提携することを、すでに発表していました。

SBIとしては、TOBが成立した場合には、取締役会長に元金融庁長官の五味廣文氏を起用するなど、役員の全部または一部を交代させる構えです。

一方、新生銀行側は「事前の連絡を受けてない」とコメントしており、経営陣が反対する場合は、敵対的TOBになる可能性もあります。

新生銀行「当行取締役会の賛同を得て行われたものではない」

SBIホールディングスによるTOBについて、新生銀行は「事前の連絡を受けておらず、当行取締役会の賛同を得て行われたものではありません。TOBに対する対応については、届出書の内容やその他の情報を分析、検討したうえで、早急にご案内します」とするコメントを発表しました。

TOBに踏み切った背景は

SBIが新生銀行のTOBに踏み切った背景には、SBIが新生銀行に求めた資本業務提携などが進まなかったことがあります。

SBIはおととし、新生銀行のおよそ4%の株式を取得してから、段階的に買い増して、およそ20%を保有する筆頭株主となっています。

幅広い金融サービスで協力していくため、新生銀行に対して資本業務提携を申し入れましたが、賛同が得られず、地方創生分野での協力にとどまっていました。

SBIは証券分野での提携も申し入れていますが、ことし3月、新生銀行は、SBIとライバル関係にあるマネックス証券と業務提携することを発表しました。

こうした中で、ことし6月に開かれた新生銀行の株主総会で、SBIは株主として銀行の工藤英之社長などの再任に反対するなど、対立関係が鮮明になってきていました。

SBIのねらいは

SBIは、ネット証券やスマートフォンを通じた金融サービスに加えて、最近では地方銀行への出資や提携で事業分野を広げています。

新生銀行は個人や小規模事業者を対象とした融資などみずからにはない強みを持っているため、SBIとしては、両社のノウハウや顧客基盤を組み合わせれば総合的な金融グループを目指すことができるとしています。

新生銀行と公的資金

新生銀行は、前身の旧長銀=日本長期信用銀行を含め1998年と2000年に合わせて3700億円の公的資金が投入されました。

今も帳簿上の価格で2100億円余りが残っていますが、返済のめどは立っていません。

国は、預金保険機構と整理回収機構を通じて新生銀行のおよそ20%の株式を持っていますが、今回SBIが示した価格で株式を売却すれば損失が生じることになります。

このため、預金保険機構はTOBに応じるか慎重に検討するとコメントしています。

SBIとしてはTOBが成立した場合、新生銀行の収益力を高めることを通じて公的資金の返済にめどをつけ、経営の自由度を上げる考えです。