日本医師会「ワクチン接種に合わせての制限緩和は慎重に」

新型コロナウイルスのワクチン接種の進捗(しんちょく)に合わせて、日常生活の制限を緩和するなどとした政府の分科会の提言について、日本医師会の中川会長は、接種後に感染するケースもあると指摘し、緩和は慎重に進める必要があるという考えを示しました。

新型コロナ対策を議論する政府の分科会が先週、国内でのワクチン接種の進捗などに合わせて、日常生活の制限を緩和するなどとした「ワクチン・検査パッケージ」をまとめたことを踏まえ、政府は感染対策と社会経済活動の両立に向けた対応を検討しています。

これに関連して日本医師会の中川会長は記者会見で「提言は希望する人へのワクチン接種が済んでいることや、地域の感染が沈静化していることが前提だが、感染を十分抑制できないことも想定しなければならず、人々の緩みにつながらないようにすることが重要だ」と指摘しました。

そのうえで「国内でも感染力の強いデルタ株にほぼ置き換わり、ワクチン接種後の感染も増加している。2回のワクチン接種を済ませていても、感染は起こり得る」と述べ、日常生活の緩和は慎重に進める必要があるという考えを示しました。