輸入小麦の価格が上昇 小麦粉や食パンなど 値上がりの可能性

政府は輸入した小麦を製粉会社などに売り渡す価格を10月から19%引き上げることを決めました。
上げ幅は過去2番目で、今後、小麦粉や食パンなどさまざまな食品の値上がりにつながる可能性があります。

国内で消費される小麦のおよそ9割は海外産です。

政府は、安定的に確保するため一括して輸入し、製粉会社などへの売り渡し価格を半年ごとに見直しています。

10月からの売り渡し価格について、農林水産省は主な5つの銘柄の平均で、1トンあたり6万1820円と、前の半年間と比べて19%引き上げることを決めました。

上げ幅は過去2番目に大きく、価格の水準は2009年以来の高値となります。

これは、主な産地のアメリカ北部やカナダ南部の高温や乾燥の影響で生産量が減少し、国際的な取引価格が値上がりしていることに加え、新型コロナの影響で船舶での輸送費用が上昇していることがあります。

今後、小麦を使う、さまざまな食品の値上がりにつながる可能性があります。

農林水産省は食品の価格への影響を、
▽家庭用薄力粉1キロあたり14.1円
▽食パン1斤あたり2.3円
▽外食のうどん1杯あたり1.4円と試算しています。

パンの専門店「商品の値上げ検討も」

輸入する小麦の売り渡し価格が引き上げられることについて、大量の小麦を使うパンの販売店からは、コストの上昇による経営面への影響を懸念する声が出ています。

東京 三鷹市にある創業およそ70年のパンの専門店では、毎日8000個ほどのパンを製造・販売し、1日に使う小麦粉の量は200キロにのぼります。

店ではここ数年、さまざまなコストの上昇に直面しています。

コロナ禍の感染対策として、空気清浄機などを整備するのに100万円以上かけたほか、商品を個別に入れる袋の費用に1枚あたり数円を、新たに負担してきました。

また最近では、マヨネーズや砂糖といった一部の原材料の仕入れ値も上昇し、収益を圧迫してきましたが、洗剤などの消耗品を価格の安いものに切り替えたり、調達する食材を見直したりして、なんとか販売価格を据え置いてきました。

ただ、今回、パンに欠かせない小麦の売り渡し価格が大幅に引き上げられ、仕入れ値が上昇すればコストを吸収しきれなくなり、商品の値上げも検討せざるをえないといいます。

トーホーベーカリーの松井成和代表は「使う量の多い小麦の仕入れ価格も上がれば経営には、かなり痛手です。努力を続けてはきましたが、これ以上は厳しい状況です」と話していました。