自民党総裁選 高市前総務相が立候補表明 きょうの動きは

菅総理大臣の後継を選ぶ自民党総裁選挙は、岸田前政務調査会長に続いて、高市前総務大臣が、記者会見を開き、立候補を正式に表明しました。
一方、立候補に意欲を見せる河野規制改革担当大臣が所属する麻生派は、幹部が所属議員から意見を聴く会合を開くなど、詰めの調整が行われています。

高市前総務相 立候補を正式表明

高市前総務大臣は、午後4時から国会内で記者会見し「日本を守る責任と未来を開く覚悟を持って、自民党総裁選挙への立候補を表明する。国の究極の使命は、国民の生命と財産を守り抜くこと、領土・領海・領空、資源を守り抜くこと、そして、国家の主権と名誉を守り抜くことだ。私のすべてをかけて働くことを誓う」と述べました。

そして、具体的な政策として経済政策を最初にあげ、「『日本経済強じん化計画』、いわゆる『サナエノミクス』で経済を立て直し、成長軌道に乗せていく」と述べ、金融緩和、緊急時の機動的な財政出動、大胆な危機管理投資・成長投資の3本の矢の取り組みを総動員し、物価安定目標2%の達成を目指すと表明しました。

そのうえで、目標の達成に向け、基礎的財政収支の改善よりも、戦略的な財政出動を優先させる考えを示しました。

また、新型コロナウイルス対策として、海外で行われている『ロックダウン』を可能にする法整備の検討を急ぐほか、ワクチン接種の優先順位の見直しや、治療薬の国内生産体制の構築などに取り組む考えを強調しました。

さらに高市氏は「時代の要請にこたえられる新しい日本国憲法の制定に力を尽くす」と述べたほか、「令和の省庁再編にチャレンジしたい」と述べ、環境政策とエネルギー問題を扱う「環境エネルギー省」や、各省庁にまたがる情報通信分野を集約した「情報通信省」や「サイバーセキュリティー庁」を新設すると訴えました。

一方、高市氏は終戦の日などに合わせて行っている靖国神社への参拝について、「1人の日本人として信教の自由にもとづいて参拝を続けている。批判されているという現状があるならば残念だ」と述べました。

また高市氏は、安定的な皇位継承の在り方に関して「皇統は、男系男子で大切に長年にわたって守り抜かれてきたものだ。私たちの世代でぶち壊していいのかという気持ちは非常に強く持っており、私は旧皇族の皇籍復帰を可能にする案を支持している」と述べました。

このほか、記者団から「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書の改ざん問題について再調査を行うかどうか問われたのに対し、高市氏は「裁判中の案件に関する答えは控えるが、再発防止にはしっかり取り組む」と述べるにとどまりました。

高市氏は、衆議院奈良2区選出の当選8回で60歳。
総務大臣や党の政務調査会長などを歴任しました。
安倍前総理大臣と保守的な政治信条が近いことで知られています。

今回の総裁選挙への立候補表明は岸田前政務調査会長に続いて2人目です。

河野規制改革相 安倍前首相に立候補意欲伝える

河野規制改革担当大臣は昼過ぎ、議員会館の安倍前総理大臣の事務所を訪ね、安倍氏とおよそ20分間会談し、総裁選挙への立候補の意欲を伝えました。

会談では、河野氏が立候補した場合に訴える政策の内容などについても意見が交わされたものとみられます。

このあと記者団から、会談の内容について問われたのに対し、河野氏は「いろんな方にお目にかかっているが、会話の中身は差し控えたい」と述べるにとどめました。

“原発再稼働はカーボンニュートラル目指すうえで必要”

また河野大臣は、原子力政策をめぐって「安全が確認された原子力発電所を再稼働していくのは、『カーボンニュートラル』を目指すうえで、ある程度、必要だと思う。ただ、使用済み核燃料をどうするのかという問題は、放置するのではなく、しっかりと前向きに取り組んでいく必要がある」と述べました。

そして記者団が「かつて『脱原発』と発言したこともあったが、考え方が変わったのか」と質問したのに対し、「変わったということはないと思う。 いずれ原子力もなくなっていくだろうと思うが 『あした、来年、やめろ』と言うつもりではない」と述べました。

また今後の皇室のあり方について、「政府の有識者会議が、非常に現実的な、よい方向性を示してくれているので、結果を尊重していくことに全く異論はない」と述べました。

さらに、ツイッターで意見の合わない相手の投稿をブロックする対応について問われたのに対し、「個人が暇つぶしで始めたアカウントなので、個人が好きなように使うのは自由なことだ。ツイッターにブロック機能が最初から実装されているので、使ってはいけないということはないだろう」と述べました。

一方、河野大臣は、記者団が「ワクチン担当の業務を最後まで全うする考えか」と質問したのに対し、「そのつもりだ。しっかりやっていきたい」と述べました。

岸田前政調会長 経済政策を発表

岸田前政務調査会長は先週、新型コロナウイルス対策を発表したのに続き、きょうは経済政策を発表しました。

この中で岸田氏は、「成長なくして分配はないが、分配なくして次の成長もない」と述べ、小泉内閣以来の新自由主義的な政策を転換し、成長と分配の好循環によって日本型の新たな資本主義を構築すると訴えました。

そして成長戦略として、科学技術分野の競争力を高めるため10兆円規模の基金を創設することや、経済安全保障の担当大臣を置いて、半導体など先端技術への投資を強化するとしています。

また、かつて池田内閣が掲げた「所得倍増計画」を参考に、所得の増加によって分厚い中間層の復活を目指すとしています。

このために、
▽企業に従業員の賃上げを促すための税制措置や、
▽医療や保育などの現場で働く人たちの所得増を検討する委員会の設置、
さらに
▽子育て世帯に対する教育費や住居費の支援などを検討するとしています。

岸田氏は「富む者と富まざる者の格差が生まれ、コロナ禍でさらに広がってしまった。最大のポイントは、一部の人間だけでなく、広く多くの人の所得を引き上げることだ」と述べました。

きのうに続き 党の支持団体など訪問

また午後は、きのうに続いて党の支持団体などを回りました。

このうち午後1時すぎには、岸田派の議員とともに東京 中央区にある建設業界の団体を相次いで訪れ、支援を呼びかけました。

このあと岸田氏は記者団に対し、「新型コロナを乗り越えて日本が復活する際、インフラ整備が大変重要だ。日本経済の復活に努力してもらえるよう、予算の確保などに取り組んでいきたい」と述べました。

石破元幹事長 二階幹事長と会談するも「まだ白紙」

石破元幹事長は午後1時すぎに、党本部で二階幹事長と短時間会談しました。

会談のあと、石破氏は記者団に対し「二階氏に会ってあいさつをした。誰が何を言ったかは言わない」と述べました。

そして記者団が「『白紙だ』としてきた総裁選挙への対応に変わりはないか」と質問したのに対し、石破氏は「まったく変わりはない。必要な推薦人の数や、立候補した場合の自分の所見は、きちんと整っている」と述べました。

石破氏の立候補をめぐっては、7日開かれた石破派の会合では結論が出ず、石破氏は所属議員から個別に意見を聞きながら、対応を判断することにしています。

野田幹事長代行 青木幹雄氏に意欲伝える

自民党の野田幹事長代行は、立候補に必要な20人の推薦人の確保が課題となっていて午前中、自民党竹下派に影響力を持つ青木幹雄 元官房長官の事務所を訪れ、総裁選挙への立候補の意欲を伝えるとともに、協力を求めました。

また午後には、国会内で開かれた「こども庁」の創設を目指す有志の議員による勉強会に出席しました。

この中で、野田氏は「コロナによって女性が傷つき、子どもも苦しんでいる。コロナのあとは、女性こそが輝き、子どもたちが強くなれるようにすることが私たちに課せられた仕事だ。ともに歩んでいきたい」と述べました。

細田派 派閥として一本化は困難の意見相次ぐ

自民党内最大派閥の細田派は、会長を務める細田元幹事長や下村政務調査会長ら幹部が国会内に集まり、午後5時ごろからおよそ1時間、対応を協議しました。

この中では、衆議院選挙が迫る中、地域の実情を踏まえて支持する候補者を選びたいという議員も多いなどとして、派閥として一本化するのは難しいのではないかという意見が相次ぎました。

そして、あすの総会で所属議員から意見を聞いたうえで、派閥としての対応を検討していくことになりました。

安倍前首相 高市前総務相への支援協力求める

自民党最大派閥の細田派出身の安倍前総理大臣は午前中、議員会館の事務所で、細田派の萩生田・文部科学大臣、世耕・参議院幹事長とそれぞれ会談しました。

この中で安倍氏は、今回の総裁選挙で高市前総務大臣を支援したいとして協力を求めました。

麻生派 河野氏への支援めぐり意見聴取

立候補に意欲を見せる河野規制改革担当大臣が所属する麻生派は午後、会長の麻生副総理兼財務大臣ら幹部が、所属議員から意見を聴く会合を開き、中堅・若手議員を中心に、派閥として河野氏を支援すべきだという意見が出る一方、ほかの候補を支援すべきだという意見も出されました。

自民党の河野規制改革担当大臣は、総裁選挙への立候補に意欲を見せていますが、所属する麻生派会長の麻生副総理兼財務大臣が、派閥をあげての支援に慎重な考えを示していて、幹部やベテラン議員と中堅・若手議員との間で、河野氏を支援するかどうか、意見の隔たりがあります。

こうした中、麻生派はきょう午後、国会近くの派閥事務所で、麻生氏や派閥の事務総長を務める森英介 元法務大臣ら幹部が出席し、所属議員からおよそ3時間にわたって意見を聴きました。

出席者によりますと、会合では中堅・若手議員を中心に、派閥として河野氏を支援すべきだとして、できるだけ早期の決定を求める意見が出された一方、岸田前政務調査会長や高市前総務大臣を支援すべきだという意見や、麻生氏の決定に従うという声もあったということです。

会合のあと、森氏は記者団に対し「3つのグループに分けて、出席した全員から意見を聴いた。麻生氏が今後の対応を考えるうえで、非常に重要な参考になる」と述べました。

麻生派は、きょう出された意見をもとに、河野氏を支援するかどうかを含め、派閥の対応について、麻生氏を中心に調整を進めることにしています。

谷垣グループ 情勢見極めるも 遠藤氏は岸田支援を表明

谷垣グループは午前中、国会内で会合を開き、総裁選挙の対応などを協議しました。

そして、選挙の構図がまだ固まっておらず、党内の情勢を見極める必要があるとして、来週、再び会合を開いて意見を交わすことになりました。

遠藤元五輪相 岸田氏支援の考え

一方、会合では、代表世話人の1人である遠藤 元オリンピック・パラリンピック担当大臣が去年の総裁選挙で、岸田前政務調査会長の陣営の選挙対策本部長を務めたことを踏まえ、今回も岸田氏を支援する考えを明らかにしました。