自民党総裁選 立候補めぐり動き活発化 各派閥は対応の検討続く

自民党総裁選挙は立候補をめぐる動きが活発になっています。

石破元幹事長は石破派の所属議員と対応を協議しましたが“立候補の判断は本人に委ねるべきだ”とする意見が相次ぐ一方、“河野規制改革担当大臣を支援すべきだ”という意見も出されるなど、その動向が注目されています。

一方、河野大臣は6日に続いて派閥会長の麻生副総理兼財務大臣と会談するなど立候補に向けた調整を進めています。

菅総理大臣の後継を選ぶ総裁選挙をめぐり、7日の動きをまとめました。

初のオンライン政策討論会 街頭演説会は実施見送り

今回の総裁選挙について選挙管理委員会は、新型コロナウイルス対策のため全国各地での街頭演説会は実施を見送る一方、候補者が国民から直接質問を受け付けるオンライン形式の政策討論会を初めて開催すると発表しました。
総裁選挙管理委員会によりますと、今月17日の告示日は午前中に立候補の受け付けを行ったあと午後に候補者による立会演説会を党本部で行うとしています。

また、20日に青年局と女性局が主催する討論会が予定され、新型コロナウイルス対策のためオンライン形式で実施するとしています。

そして、全国各地での街頭演説会は去年の総裁選挙と同様に実施を見送る一方、23日から4日間、新型コロナ対策や外交・安全保障、憲法改正などテーマ別に、候補者が国民から直接質問を受けて討論するオンライン形式の政策討論会を初めて開催することになりました。

政策討論会の質問は告示後に特設サイトで受け付け、抽せんで選ばれた人が当日、オンラインで参加する形式をとるということです。

総裁選挙管理委員を務める新藤元総務大臣は「新型コロナ対策に十分配慮したうえで開かれた選挙にしたい」と述べました。

石破派“河野氏と連携求める意見も” 引き続き対応検討

石破元幹事長は派閥の所属議員と対応を協議するとともに、二階幹事長らとも会談するなどして立候補の是非を検討しています。

石破派は7日午前、国会内でおよそ1時間会合を開き、石破氏を含む15人が出席しました。

会合では石破氏が立候補するかどうかは本人の判断に委ねるべきだとする意見が相次ぐ一方、立候補に意欲を示している河野規制改革担当大臣との連携を模索するよう求める意見も出されました。

そして、河野氏の動向を含め党内の状況を見極めながら引き続き対応を検討することになりました。

派閥の世話人を務める福山守 衆議院議員は記者団に対し「石破氏に付いていくという意見もあったし、河野氏が出たらそちらに行ってみたいという率直な意見が出たことも事実だ」と述べました。

河野規制改革担当相「共感いただける政治を実現」

立候補に意欲を示している河野規制改革担当大臣は閣議のあとの記者会見で、正式に立候補を表明する時期を問われたのに対し「未定だ」と述べるにとどめました。

そのうえで記者団が「各種の世論調査で次の総理大臣にふさわしい人としてトップになっているが」と質問したのに対し「ありがたいと思う。しっかりと日本を前に進められるように頑張っていきたい」と述べました。

そして、今後の政治の在り方について「国民に政策の根底となっているさまざまなデータや情報を示し、納得してもらって進められる政策を心がけなければいけない。国民に理解をいただきながら、共感していただける政治を日本に実現するという意味で私も全力を尽くしていきたい」と述べました。

また、河野大臣は午後3時すぎに財務省を訪れ、6日に続いて所属する麻生派会長の麻生副総理兼財務大臣と20分余り会談しました。

会談のあと河野大臣は記者団の問いかけには応じませんでしたが、引き続き立候補に理解を求めたものとみられます。

河野氏の立候補をめぐっては麻生氏が派閥をあげての支援に消極的な考えを示していて、麻生派は8日に幹部が所属議員から意見を聞く会合を開くことにしています。

岸田前政調会長 党員票獲得へ支持団体に支援呼びかけ

総裁選挙への立候補を表明している岸田前政務調査会長は国会議員へのあいさつ回りが一巡し、7日からは党の支持団体に支援を呼びかけるなど党員票の獲得に向けた活動を本格化させています。

7日は午前9時すぎに派閥の事務総長を務める根本・元厚生労働大臣らとともに東京 渋谷区にある日本看護連盟を訪れました。

そして、いわゆる野戦病院を整備するなどして「医療難民ゼロ」を実現させることなど自身が打ち出した新型コロナウイルス対策を説明し、総裁選挙での支援を呼びかけました。

このあと岸田氏は記者団に対し「新型コロナ対応の最前線で苦労している皆さんから現場の生々しい話を聞き、要望もいただいたので政策に反映させたい。一つ一つの声を受け止め、努力を続けることで党員の皆さんに思いを届けたい」と述べました。

一方、岸田氏は7日、国会内で記者団に対し「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書の改ざん問題について「再調査などは考えていない。すでに行政の調査が行われ報告書も出されている。司法において、さまざまな証拠が提出されたうえで裁判が進み、これから判決が出される。必要であれば説明を行うということだ」と述べました。

この問題について岸田氏は先週2日に放送されたBSーTBSの報道番組で「調査が十分かどうかは国民が判断する話であり、国民が足りないと言っているのなら、さらに説明しないといけない」と述べ、十分な説明が必要だという認識を示していました。

高市前総務相 8日午後 正式に立候補表明へ

立候補の意向を固めた高市前総務大臣は7日午後、地元・奈良県の農業団体の関係者とともに財務省を訪れ、耐用年数に達している農業の水利施設の更新などについて主計局長に要望しました。

また、高市氏は7日夕方、国会内で記者団に対し「私の知名度はまだ低いと思っている。選挙戦に入れば討論のチャンスもあるので政策に賛同してもらえたらありがたい」と述べました。

そして高市氏は8日午後、国会内で記者会見し正式に立候補を表明することになりました。

野田幹事長代行 菅首相に立候補の意欲伝える

野田幹事長代行は7日午前、総理大臣官邸を訪れて菅総理大臣と会談しました。

この中で野田氏は「自民党の多様性を担い、菅総理大臣が取り組んできたことを継続させていきたい」と述べ、総裁選挙への立候補の意欲を伝えました。これに対し、菅総理大臣は「わかった」と応じたということです。

午後には、国会内で開かれたサッカー女子のプロリーグ「WEリーグ」を応援する超党派の議員連盟の設立総会に代表世話人として出席しました。

そして「女性が真に自立し、結果として次の日本の魅力となっていくよう一緒に応援したい」とあいさつしました。

野田氏は立候補に必要な20人の推薦人の確保に向け、引き続き党の所属議員に支援を呼びかける方針です。

各派閥で対応の検討続く

▽細田派(96人)
最大派閥の細田派は7日午前、会長を務める細田元幹事長と会長代理の塩谷元文部科学大臣が国会内で会談し、総裁選挙への対応を協議しました。

この中では、細田派出身の安倍前総理大臣が高市前総務大臣を支援する考えを示していることを受け、派内に高市氏を支援したいという議員がいる一方、ほかの候補を支援したいという議員もいることから、8日の派閥の幹部会合や9日の総会などを通じ、丁寧に意見を聞いていくことを確認しました。

また、世耕参議院幹事長は記者会見で、自身が所属する細田派の対応について「まだまだ構図は定まっておらず、候補者の政策などを見極めながら判断していきたい」と述べました。


▽麻生派(53人)
麻生副総理兼財務大臣は7日の閣議のあとの記者会見で、マクロ経済政策や財政健全化の観点からどういった主張の候補者が次の総裁にふさわしいかと聞かれたのに対し「経済再生と財政の健全化を両立させないといけない。歳出・歳入両方の面を考えて取り組んでいく人がいちばんいいと思う。為替などに対する信頼を失えば円安やインフレになりかねず、国民生活に影響を与える」と述べ、経済再生と財政健全化の両立に取り組む人物が選ばれるべきだという認識を示しました。


▽竹下派(52人)
竹下派に所属する加藤官房長官は7日昼ごろ、派閥の会長代行を務める茂木外務大臣と議員会館でおよそ1時間会談し、党内情勢をめぐって意見を交わしました。

派閥の所属議員の意向を確認するとともに、党内の動きを見極めながら対応を検討することにしています。

また、竹下派に所属する当選3回までの衆議院議員10人余りは7日午後、国会内で会合を開きました。

この中では、竹下派から総裁選挙の候補者を擁立する場合には結束して支援すべきだという意見が相次ぎ、派閥幹部に対し、擁立するかどうかを早期に判断するよう求めていくことを確認しました。

また、出席者からは、派閥から擁立しない場合にはそれぞれの選挙区の事情を考慮して自主投票とするよう求める意見も出され、こうした意見も幹部に伝えることになりました。


▽二階派(47人)
二階派に所属する武田総務大臣は閣議のあとの記者会見で、誰を支持するか問われたのに対し「まだ全くの白紙だ」と述べました。


▽岸田派(46人)
岸田派は臨時の総会を開き、オンラインでの参加も含め、およそ25人の所属議員が出席しました。

この中で岸田氏は「立候補を表明してから、はや12日がたったが、この間、菅総理大臣が立候補の断念を表明するなど状況は大きく転換してきた。今後も思ってもみない状況がありうるかもしれず、強い緊張感を持って戦いを進めていきたい」と述べました。

そのうえで「前半戦の勝負は党員投票だ。私は国民や党員に向き合うという思いを強く持って戦いを続けてきた。自民党や日本にとって大切な時に行われる総裁選挙だからこそ、何としても勝ち抜きたい」と強調しました。

これに先立ち、派閥の幹部による会合が開かれ、党員への働きかけを強めることや、ほかの派閥の議員に岸田氏の政策に対する理解を求めていくことを確認しました。

若手議員“派閥にとらわれず自由な判断で投票すべき”

当選1回から3回の有志の衆議院議員は党本部で会合を開き、総裁選挙への対応について意見を交わしました。

会合には、オンラインでの参加も含め派閥横断のおよそ70人が出席し「党員に開かれた選挙にする必要がある」という意見が出され、派閥の方針にとらわれず、それぞれの議員が自由な判断で投票すべきだという認識で一致しました。

また今後、メンバーで党改革などについての提言をまとめ、総裁選挙の候補者と直接、意見を交わす機会を求めることを確認しました。

会合の後、細田派に所属する福田達夫 衆議院議員は記者団に対し「自民党に対し『長老支配』や『密室政治』という批判が地元でもよく聞かれる。永田町の理屈で総裁を決めるのではなく、議員一人一人が説明できる形で投票すべきだ。事前に派閥で一任を取り付けるようなことはしないでもらいたい」と述べました。

小泉環境相「申し上げるタイミングではない」

小泉環境大臣は閣議の後の記者会見で、総裁選挙で誰を支持するかなど対応を問われたのに対し「現時点で菅総理大臣が退任について正式に記者会見をしていないので申し上げるタイミングではない」と述べました。

そのうえで「菅政権の最大の成果はさまざまな抵抗があったにもかかわらず、日本のエネルギー政策を大転換させたことだ。この方針が決して揺り戻されることがないようにしなければならない」と述べました。

公明 山口代表「国民に開かれた論戦を」

公明党の山口代表は記者会見で「国民に開かれた論戦が交わされることを望みたい。一方で、政府として取り組まなければならない課題も極めて重いものがあり、いささかもおろそかにしてはならないし、停滞は許されない。総裁選挙は総裁選挙として、責任感をもって与党としての役割を果たしていきたい」と述べました。