パラリンピック 車いすバスケ男子決勝 日本は銀メダル

東京パラリンピック、車いすバスケットボール男子の決勝で、日本は強豪・アメリカに60対64で敗れ銀メダルとなりました。この種目で日本がメダルを獲得するのは初めてです。

日本は予選リーグを4勝1敗のグループ2位で通過し、準々決勝でオーストラリア、準決勝でイギリスを破り、前回のリオデジャネイロ大会で金メダルのアメリカと対戦しました。

開始早々、日本はエースの藤本怜央選手がスリーポイントシュートを決めて流れにのると、得点を重ねて序盤、リードする展開でしたが、アメリカのスピードと技術のある攻撃で追い上げられ、18対18の同点で第1クオーターを終えます。

続く第2クオーターはアメリカにゴール下からシュートを打たれる場面を多く作られ、27対32と5点を追いかける展開で前半を折り返しました。
第3クオーターは日本が磨いてきた積極的な守備からの速攻が光り、香西宏昭選手のシュートで同点に追いつくと、その直後、鳥海連志選手のシュートで逆転し、46対45と1点をリードして終えました。

最終の第4クオーターでは一進一退の攻防が続くも、中盤の勝負どころで日本は4連続で得点を許し、60対64で惜しくも敗れ日本は銀メダルとなりました。

この種目で日本がメダルを獲得するのは初めてです。
キャプテンを務める豊島英選手は「強豪のアメリカ相手にディフェンスから流れをつかみいいゲームはできたが最後、あと一歩のところで勝つことができず、悔しい。きょうの接戦で希望が見えたので次の日本代表がこの借りを返してくれることに期待したい」と話していました。

パラリンピック5大会連続出場の藤本怜央選手は試合のあと「最後に最高の舞台で、最高のプレーができたと思う。リオデジャネイロ大会が終わったあとにすべてを一度見直して次の大会でメダルをとると覚悟を決めてやってきたので報われた」とこれまでの5年間を振り返りました。
そのうえで「4点差の結果になったが、これ以上出せないぐらいの結果なので、喜びを感じながらも、次の目標が見えた試合だった。日本の車いすバスケットボールの中で塗り替えていくものが僕らだけではなく、日本全国の皆様にみせられたと思う」と話していました。

両チーム最多18のリバウンド チーム支えた鳥海連志

初めてのメダル、銀メダルを獲得した車いすバスケットボール男子の日本。チームの躍進を支えたのは22歳の鳥海連志選手でした。

生まれた時から両手で一部の指がなく、両足のすねの骨の障害のため、3歳で太ももの半分から先を切断した鳥海選手。中学1年生で競技を始めると、スピードと素早いターンを持ち味に頭角を現し、2016年のリオデジャネイロ大会にはチーム最年少の17歳で日本代表に選ばれました。しかし、鳥海選手は出場したことに満足せず、海外勢のパワーに圧倒され9位に終わった結果に悔しさを感じていました。

「上位にはい上がるためにはなまはんかな気持ちではだめ。死ぬ気で練習しないといけない」

この思いを胸に、これまで5年間、当たり負けしないフィジカルの強化とシュートの精度を高めるトレーニングを徹底して行ってきました。そして、迎えた今大会、鳥海選手は攻守にめざましい活躍を見せました。

準決勝までの7試合、守備では持ち味のスピードを生かし相手のボールを奪う「スティール」が1試合平均2.3回と出場選手の中でトップ、守備をしている際のリバウンドの数も平均8.4回と4位にランクしています。

攻撃面でもアシストの数が1試合当たり平均7.6回と5位につけ、準決勝のイギリス戦では磨き続けてきた高い精度のシュートでチーム最多の20得点をマークし日本を初の決勝進出へと導きました。

強豪アメリカとの決勝でも両チーム最多となる18のリバウンドを記録するなど攻守の起点として活躍しました。

前回大会の悔しさを胸に世界トップレベルの選手へと成長した鳥海選手。日本の鳥海から世界の鳥海への飛躍こそが日本車いすバスケットボール勢初の銀メダルをもたらす原動力となりました。

鳥海連志選手は「リオからの5年間、なかなか結果が出ず苦しい時を過ごしたが、ぶれずに結果を出そうと目標にやってきたことが結果につながった。学生時代から支えてもらった多くの人たちにやっとメダルを見せられるのがうれしい」と話しました。

また「やってきたバスケットを貫き通そうと戦えたのはよかった。ディフェンスやトランジションバスケットというスタイルが世界に通用することを証明できた大会だ」と振り返りました。

《試合詳細》

第1クオーター 日本が優勢も終了直前に追いつかれる

車いすバスケットボール男子の決勝が始まりました。
1クオーターは10分間です

残り8分44秒
藤本のスリーポイントで日本が先制
日本3-0アメリカ

残り8分3秒
秋田がフリースローを1本決める
日本4-0アメリカ

残り7分21秒
素早いボール回しから藤本が右真横からシュートを決めて
日本6-0アメリカ

残り6分14秒
アメリカ セリオがインサイドからシュートを決めて初得点
日本8-2アメリカ

残り4分
日本の得点ランキングトップの香西が秋田に代わり交代で出場

残り3分48秒
その香西がアウトサイドから決めて日本14-6アメリカ

残り40秒
藤本のスリーポイントシュートが外れるも鳥海がリバウンドを取る。
この時点で鳥海のリバウンドはすでに6
残り8秒
アメリカがインサイドからのシュートを決める
日本18-14アメリカ

シュート時に日本のファールがあり、アメリカにフリースローが与えられる。

アメリカのフリースローが決まる
日本18-15アメリカ

残り2秒
アメリカ セリオのスリーポイントが決まり同点
日本18-18アメリカ

第2クオーター 力強いディフェンスと速攻で粘る日本

残り9分5秒
アメリカが2連続得点
日本18-22アメリカ

残り8分52秒
香西のアウトサイドからのシュートが決まる
日本20-22アメリカ

残り6分43秒
アメリカに速攻を決められ日本20-26アメリカとなったところで日本がタイムアウト

残り5分48秒
日本が速攻から古沢がシュートをねらうもアメリカにブロックされる
残り3分42秒
速攻から日本は赤石がシュートを決める
日本25-26アメリカ

残り1分22秒
アメリカがフリースローを2本決めて30点に到達
日本25-30アメリカ

残り1分15秒
速攻から赤石がシュートを決める
日本27-30アメリカ

残り10秒
アメリカ スコットがほぼ正面からのシュートを決めて日本リードを広げられる
日本27-32アメリカ

第3クオーター 日本の1点リードで最終第4Qへ

残り9分53秒
秋田がシュートを決める
日本29-32アメリカ

両チームが得点を取り合う展開が続く
残り8分までで日本33-37アメリカ

残り5分56秒
日本37-39アメリカ
鳥海がディフェンスリバウンドを奪い相手陣へ
パスをつないだ日本はうまくインサイドに入った鳥海がシュートを決めて2点差に

残り5分16秒
香西のシュートが決まる
日本が39-39の同点に追いつく

この時間帯日本は強固なディフェンス
アメリカのシュートが決まらなくなる

残り3分51秒
日本41-39アメリカ
ボールを奪った日本が速攻から2対1の形を作り鳥海がシュートを決めて日本が勝ち越し

残り2分3秒
秋田がシュートを決めた際相手のファールを誘う
その後フリースローが決まる
日本46-43アメリカ

残り1分10秒
アメリカがアウトサイドから決めて日本46-45アメリカ

残り10秒
日本のシュートはアメリカの高さに阻まれ、その後のアメリカのシュートも決まらず

日本46-45アメリカ

第4クオーター

残り9分17秒
第4クオーター最初の得点は香西
難しい角度から決めて
日本48-45アメリカ
残り7分52秒
アメリカがセリオがゴール下に入ってシュートを決める
バスケットカウントでフリースローも1本決めて同点に
日本50-50アメリカ

残り6分55秒
日本が素早くボールを回したあと、古沢がボードをうまく使ってシュートを決める
日本54-51アメリカ
残り5分49秒
鳥海がリバウンドを奪ったあとシュートを決めて
日本56-51アメリカ
アメリカがタイムアウト

残り5分11秒
アメリカがボールをスチールし速攻からジェニファーが得点
日本56-55アメリカ
アメリカは2連続得点で日本はタイムアウト

残り4分37秒
アメリカが逆転
日本56-57アメリカ

残り4分14秒
アメリカは4連続得点でリードを3点とする
日本56-59アメリカ

残り3分29秒
日本はオフェンスリバウンド2本連続で取ったあと香西が決めて
日本58-59アメリカ

日本アメリカ双方が粘り強いディフェンスで得点が入らない展開に
残り49秒
日本は粘り強いディフェンスを見せるが最後はセリオに決められる
日本58-61アメリカ
きょうセリオは25点目

残り36秒
セリオがフリースローを2本決める
日本58-61アメリカ

残り31秒
赤石がゴール下からシュートを決める
日本60-63アメリカ

追いかける日本はマイボールにするため「ファールゲーム」に
残り28秒
アメリカ セリオがフリースロー1本決めて
日本60-64アメリカ

残り17秒
日本は鳥海がシュートをねらうも外れる

アメリカがボールをキープしたまま試合終了
日本60-64アメリカ