新型コロナ感染者数 多い状況続くも全国で約2か月ぶりに減少に

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国ではおよそ2か月ぶりに減少に転じました。
感染者数が多い状況は続いていますが、東京都を含めた42の都道府県で、横ばいから減少となっています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数を基に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

全国では、
▽8月5日までの1週間では前の週と比べて1.83倍、
▽8月12日は1.24倍、
▽8月19日は1.38倍、
▽8月26日は1.13倍と
 9週連続で増加していましたが、
▽9月2日まででは0.84倍とおよそ2か月ぶりに減少に転じました。

一日当たりの新規感染者数はおよそ1万9394人となっていて、
感染者数は多い状況ではあるものの、
42の都道府県で横ばいから減少となっています。

緊急事態宣言が出されている21の都道府県では、
愛知県と大阪府が小幅ながら増加しているほかは、
横ばいか減少となっています。

首都圏の1都3県では…

首都圏の1都3県では、感染者数は非常に多い状況ですが、
減少に転じています。
東京都は
▽8月12日までの1週間では前の週の1.09倍、
▽8月19日までの1週間では1.20倍と
 9週連続で感染の拡大が続いていましたが、
▽8月26日は0.91倍、
▽9月2日まででは0.72倍と減少しています。

一日当たりの新規感染者数は3140人と、
先週より1110人余り減りましたが、
直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は157.89人と
非常に多い状態が続いています。
神奈川県は、
▽8月19日までの1週間では前の週の1.21倍、
▽8月26日は1.12倍と9週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.82倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ2046人となっています。
埼玉県は、
▽8月19日までの1週間では前の週の1.30倍と9週連続で拡大していましたが、
▽8月26日は0.96倍、
▽9月2日まででは0.79倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1288人となっています。
千葉県は、
▽8月19日までの1週間では前の週の1.41倍、
▽8月26日は1.05倍と12週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.86倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1265人となっています。

関西2府2県では…

関西の2府2県では、大阪府で小幅な増加となっていますが、
京都府と兵庫県、滋賀県は横ばいから減少となっています。
大阪府は、
▽8月19日までの1週間では前の週の1.51倍、
▽8月26日は1.33倍、
▽9月2日まででは1.02倍と、9週連続で感染が拡大しています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ2471人で、
直近1週間の人口10万人当たりの感染者数も196.38人と、
沖縄県に次いで多くなっています。
京都府は、
▽8月19日までの1週間では前の週の1.42倍、
▽8月26日は1.32倍と9週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.89倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ476人となっています。
兵庫県は
▽8月19日までの1週間では前の週の1.61倍、
▽8月26日は1.27倍と9週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.97倍とほぼ横ばいで、
一日当たりの新規感染者数はおよそ921人となっています。
滋賀県は
▽8月19日までの1週間では前の週の1.51倍、
▽8月26日は1.21倍と8週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.85倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ175人となっています。

中部地方の4県では…

中部地方の4県では、愛知県で増加しています。
愛知県は
▽8月19日までの1週間では前の週の2.01倍、
▽8月19日は1.79倍、
▽9月2日まででは1.16倍と9週連続で感染が拡大していて
一日当たりの新規感染者数はおよそ1762人となっています。

直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は163.31人と、
沖縄県、大阪府に次いで全国で3番目で、
東京都よりも多くなっています。
岐阜県は
▽8月19日までの1週間では前の週の2.86倍、
▽8月26日は1.52倍と7週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.86倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数は278人となっています。
三重県は
▽8月19日までの1週間では前の週の2.19倍、
▽8月26日は2.09倍と5週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.75倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ302人となっています。
静岡県は
▽8月19日までの1週間では前の週の1.84倍、
▽8月26日は1.25倍と7週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.89倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ480人となっています。

その他の地域では…

北海道は
▽8月19日までの1週間では前の週の1.33倍、
▽8月26日は1.10倍と8週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.69倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数は348人となっています。
宮城県は
▽8月19日までの1週間では前の週の1.57倍、
▽8月26日は1.22倍と4週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.65倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ149人となっています。
茨城県は
▽8月19日までの1週間では前の週の1.18倍、
▽8月26日は1.04倍と7週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.78倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数は236人となっています。
栃木県は
▽8月19日までの1週間では前の週の1.29倍、
▽8月26日は1.22倍と6週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.68倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ144人となっています。
群馬県は
▽8月19日までの1週間では前の週の1.72倍、
▽8月26日は1.18倍と8週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.71倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ197人となっています。
岡山県は
▽8月19日までの1週間では前の週の1.72倍、
▽8月26日は1.15倍と8週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.82倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ188人となっています。
広島県は
▽8月19日までの1週間では前の週の2.16倍、
▽8月26日は1.52倍と7週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.84倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ285人となっています。
福岡県は
▽8月19日までの1週間では前の週の1.23倍、
▽8月26日は1.15倍と8週連続で拡大していましたが、
▽9月2日まででは0.83倍と減少していて、
一日当たりの新規感染者数は861人となっています。
沖縄県は減少に転じたものの、
感染者数は依然、非常に多い状況が続いています。

▽8月19日までの1週間では
前の週の1.26倍、6週連続で感染の拡大が続いていましたが、
▽8月26日は0.97倍、
▽9月2日まででは0.84倍と減少し、
一日当たりの新規感染者数はおよそ541人となっています。

直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は260.70人と、
全国で最も多く厳しい状況が続いています。

東邦大学 舘田一博教授「予断許さない状況続く」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「7月から8月にかけての、いわゆる感染爆発と言われるような急激な増加は少し収まり、減少傾向がみられてきた状況だ。ただ、本当に持続的な減少につながっていくのか、9月になって学校が再開し、人が動き出して、再び増加していかないかどうか、さらに注意してみていかなければならない」と話しています。

また、各地の状況については、「東京を含む1都3県では、いずれの地域も減少傾向がみられるようになったが、それでも東京では一日3000人以上の感染者が報告されていて、これが続くと医療の現場ではひっ迫度が増すことになる。感染者数から遅れて重症者が増えることも考えていかなければならない。医療の体制からは、まだ楽観できる状況では無い。大阪は感染者数の増え方はかなり下がってきているが、まだ減少傾向にはなっておらず、今でも一日2500人を超える感染者数が続いている。隣接する兵庫、京都も含めて厳しい状況が続いている。愛知は、なかなかピークが見えない中で過去最高の感染者数が出ており、人口当たりの感染者数でもとても高い値を維持しているため、注意しなければいけない地域となっている」と話しています。

そのうえで、緊急事態宣言の解除も含めた今後の見通しについては、「感染者数が全国的に減少に転じていても、一日の感染者数はまだ多く、医療現場のひっ迫はますます高まっている。今後、さらに重症例も増えるとすると、今の段階で緊急事態宣言の解除を考えるのは厳しいのではないか。感染者数が減らないと今後、さらに大きな波につながってしまうおそれもある。決して楽観することなく、あと1、2か月で感染者数をしっかりと下げきるような努力が必要だ」と話しています。