コロナで全面休園の保育所やこども園 15都道府県185か所に

新型コロナウイルスに子どもや職員が感染し、全面休園となった保育所などは、2日の時点で15の都道府県の185か所に上り、先週に続いて過去最多を更新したことが、厚生労働省のまとめで分かりました。

厚生労働省が全国の市区町村からの報告をまとめたところによりますと、施設内で子どもや職員が感染したため、全面休園となった保育所やこども園は、2日の時点で15の都道府県の185か所に上っています。

これは先週の179か所を上回り、2週連続で過去最多を更新しました。

また、1か月前の先月5日時点の108か所と比べて1.7倍余りに増えています。

保育所 対策を徹底 対応難しいケースも

保育所からは、感染を防ぐ対策を徹底しているが、対応が難しいケースもあるという声が出ています。

千葉県内の保育所では0歳から5歳までのおよそ140人の子どもを預かっています。

感染を防ぐための対策を徹底していて、窓を開けて換気を行うことや、室内の定期的な消毒作業、それに職員や子どもの手洗いなどを、よりきめ細かく行っています。

また、この保育所では保育士や看護師など30人余りの職員が働いていて、希望する人についてワクチン接種をできるだけ早く行うなど対策に取り組んでいます。

しかし、子どもの感染も増加傾向となる中、保育所では対策をどれだけ徹底しても、ウイルスが目に見えないだけに、感染の不安は消えず、職員の負担も大きいといいます。

そうした中、保育所によりますと、保健所から先月、対策の徹底を呼びかける文書が届きました。

この中では、保育所での給食の際は感染拡大を防ぐために大人と子どもが一緒に食事をとらないことや、子どもどうしが少人数で遊ぶことなど、できるだけ接触を避けることなどが記されていました。

これを受けて、保育所では今週から保育士は同じ部屋の中でも、子どもたちから離れた場所でひとりで給食を食べることにしました。

保育士が座る向きも子どもたちとは逆の方向にして、子どもたちに話しかけられても返事は控え、食事をしていない、マスクを着用したほかの保育士が対応することにしました。

しかし、保健所から通知があった対策の中には、対応が難しいと感じるものもあるといいます。

この保育所では年齢ごとのクラスを設けずに、さまざまな年齢の子どもたちが一緒に遊んだり給食を食べたりして過ごす「異年齢保育」を行っています。

子どもたちの成長には大切だと考えているため、できるだけ感染防止対策に取り組みながら「異年齢保育」は続けることにしています。

保育所の園長は「保育所を利用する子どもは就学前なので、小学生などと違って一日じゅういすに座って過ごすことはないので、対応の難しさを感じています。換気や消毒などの対策には全力で取り組んでいますが、対策の中には徹底が難しいものもあるということをわかってほしいです」と話しています。

そのうえで「保育所に通う年齢では、特定の子どもだけと遊んだり会話をしたりするよりも、年齢が違う多くの子どもと交流することがとても大切だと考えています。感染防止の対策は重要だと思いますが、子どもたちを小さいグループに分けて一日保育をしてくださいというのは難しいと感じています」と話していました。