ワクチン 渋谷の“若者接種”「オンライン抽せん もっと早く」

1週間前、大勢の人が初日から訪れて混乱した、若い世代向けの渋谷のワクチン接種は、4日の分からオンラインでの抽せんに切り替わります。

3日、最後となる会場での抽せんに訪れた人からは「オンライン抽せんがもっと早く始まっていればよかった」などの声が聞かれました。

東京都が渋谷に設けた若い世代向けの会場でワクチン接種が始まってから、3日で1週間です。

都は当初、予約なしの先着順で接種を受けられるとしていましたが、初日から想定を大幅に超える人が訪れて混乱したため、2日目からは会場で抽せん券を配っています。

4日の接種分からは前日のオンラインでの抽せんに切り替わることになり、会場での抽せんが最後となった3日は、雨が降る中、早朝から訪れた人たちが列をつくっていました。

午前7時から並んだという30代の男性は「来るのはきょうで2回目です。毎日来ることはできないので、オンライン抽せんがもっと早く始まっていればよかったです」と話していました。

100人分の抽せん券 実際は配っていない中で 当せんを出す

354人の接種枠に対し、3日は466人が抽せん券を受け取りました。

都はいったん、566人が券を受け取ったと発表しましたが、その後、100人分の券を実際には配っていなかったことが分かり、接種枠より少ない人数に当せんを出していたということです。

このため都は、3日に抽せん券を受け取った人は全員、3日か4日に会場に来れば接種を受けられるようにしました。

4日の分の抽せん申し込みは、都の公式のLINEアカウントで3日午前7時から午後5時まで受け付けましたが、都によりますと、3日朝は一時アクセスが集中してつながりにくい状況になったということです。

渋谷会場の「混乱の1週間」

都が若い世代を対象に渋谷に設けた会場でワクチン接種が始まってから、3日で1週間。

初日から都の想定を大幅に超える人が訪れて混乱し、都は連日、受け付けや抽せん券配布の時間を早めるなどの対応に追われました。

都の当初の計画では、正午から接種を開始し、受付はその10分前の午前11時50分からとなっていて、予約なしの先着順で1日200人に接種を行う予定でした。

しかし、8月27日の初日は、都の想定を大幅に超えて未明から大勢の人たちが訪れ、午前7時半までにおよそ300人が列をつくって並んだため、都は、接種開始時間の4時間以上前の7時半に受け付けを終了しました。

都は急きょ、200人の接種の枠を300人に増やして対応しましたが、受け付け終了後も大勢の人たちが訪れるなど混乱しました。

予約なしで行っても接種を受けられるとアピールしていた会場だっただけに、若い世代を中心に不満が続出する事態となりました。

こうした事態を受けて、都は、翌日の2日目以降、先着順から抽せんに変更し、午前9時から10時半までの間に会場を訪れた人に抽せん券を配る方法で混乱の解消を図ろうとしました。

しかし、この日は土曜日だったこともあって、抽せん券を求める人たちが早朝から長い列をつくり、都は、予定を40分ほど前倒しして8時20分ごろから券を配り始めました。

列は一時、およそ1キロ離れたJR原宿駅の近くまで達したということです。

2日目のこの日は、2226人が抽せん券を受け取りました。

都は、接種の枠を初日よりさらに広げて354人が受けられるようにしましたが、倍率は6倍を超えておよそ6.3倍でした。

日曜日だった3日目も早朝から並ぶ人が相次いだため、都は、予定より2時間ほど早い午前7時すぎから抽せん券を配り始めました。

354人の接種枠に対し、券を受け取ったのは1357人で、倍率はおよそ3.8倍でした。

8月30日は月曜日で接種会場は休みでしたが、8月31日から9月2日までの3日間も早朝から列ができたため、都は、抽せん券の配布を、予定より1時間ほど早い8時ごろから始める対応をとりました。

この3日間は平日でしたが、毎日、およそ600人から1000人余りが抽せん券を求めて訪れ、およそ1.8倍から3倍の倍率でした。

都は、3日も予定より45分ほど早い午前8時15分ごろから抽せん券を配り始めていて、これまでの配布は、都が予定していた午前9時から始まることは一度もありませんでした。

こうした状況を踏まえ、都は、4日以降の接種分の抽せん申し込みについては、オンラインでの受け付けに切り替えました。

接種希望日の前日の午前7時から午後5時の間に都の公式のLINEアカウントで抽せんに申し込むと、午後7時に結果が通知され、具体的な接種時間を先着順に選ぶことができる仕組みになっています。