ロシア 経済フォーラム 北方領土めぐり日本揺さぶりの可能性も

ロシア政府が極東の開発などをテーマに開催している国際経済フォーラムでは、北方領土をめぐってプーチン政権が一方的に示している外国投資の誘致策についても意見が交わされていて、フォーラムでロシア側が日本に揺さぶりをかけてくる可能性も出ています。

2日、ロシア極東のウラジオストクで開幕した「東方経済フォーラム」は3日、日本とロシアのビジネスセッションのほか、午後には全体会合が開かれ、この中ではプーチン大統領が演説し、中国の習近平国家主席やインドのモディ首相もオンラインでメッセージを寄せることになっています。

一方、初日の2日は、北方領土をめぐってロシア政府が一方的に示している外国投資の誘致策についても議論され、これに関連して、極東の大統領全権代表を務めるトルトネフ副首相はセッションの中で「極東の開発は早くきたものにチャンスが広がっている」と述べました。

ロシアのミシュスチン首相はことし7月に択捉島を訪問し、北方領土に関税免除などの優遇措置を適用する考えを示していて、日本との共同経済活動が具体的に進まない中、ロシア側がフォーラムで日本に揺さぶりをかけてくる可能性も出ています。

極東地域での支持拡大をねらった可能性も

ロシア政府系のシンクタンク「ロシア国際問題評議会」会長のアンドレイ・コルトゥノフ氏は「アジアは現在、最も活発な地域であり、ロシアはヨーロッパだけでなくアジアの大国も目指している」と述べ、プーチン政権が極東の経済発展を重視していることを強調しました。

その一方で「極東の経済発展を促していくという政府の努力がどれだけうまくいっているかは議論の余地がある」と述べ、満足のいく開発が進まず、極東地域の人口減少を食い止められていないことに政府が危機感を持っているという認識を示しました。

またロシアのミシュスチン首相がことし7月、事実上管轄する北方領土に関税免除などの優遇措置を適用する区域を設置するという提案を表明したことについては「日ロの共同経済活動をめぐる協議が行き詰まる中、ほかの国を引き込もうとしているのかもしれない」と指摘しながらも、実際に進展する可能性は低いだろうという見解を示しました。

さらにコルトゥノフ氏は「極東の住民に『あなたたちのことは忘れておらず、生活を支えますよ』というシグナルでもある」と述べ、今月ロシアで行われる下院議会選挙を前に、政府与党への支持が比較的低い極東地域での支持拡大をねらった可能性があるという見方も示しました。