パラリンピック自転車個人ロード 杉浦佳子が2つ目の金メダル

東京パラリンピック、自転車の女子個人ロードレースの運動機能障害のクラスで50歳の杉浦佳子選手が金メダルを獲得しました。
今大会2つめの金メダルで自身が持つ日本選手のパラリンピックでの金メダル獲得の最年長記録も更新しました。

自転車の女子個人ロードレースの運動機能障害のクラスは静岡県の富士スピードウェイや、その周辺を含む1周およそ13キロのコースを3周するおよそ40キロで争います。

レースは、15人の選手が一斉にスタートし右半身のまひなどがある杉浦選手は、序盤から先頭集団でレースを進めました。
そして、2周目終盤の上り坂でペースをあげてライバルたちをふるい落としていくと最後まで食らいついてきた中国の選手も3周目の同じ上り坂で突き放し、杉浦選手は1時間12分55秒のタイムで2位に16秒の差をつけてフィニッシュしました。
杉浦選手は3日前に行われた女子個人ロードタイムトライアルに続く今大会2つめの金メダルで、自身が持つ日本選手のパラリンピックでの金メダル獲得の最年長記録も更新しました。

杉浦選手は「まさかこんなゴールが待っているとは思っていなくて本当にいろんな人にありがとうと言いたいです」と目を潤ませながら話しました。

ラストスパートで勝負を決めたレースについては「序盤は力を使わず、最後に出し切ろうと考えていて、最後の最後でがつんといきました。思惑がはまったのでコーチの勝利です」と振り返りました。

そのうえで「1年の延期が私にとっては追い風となり、タイムも早くなってパワーもついた。有意義な1年でした」と2冠を達成した大会を振り返りました。
銀メダルはスウェーデンのアンナ・ベック選手、銅メダルはオーストラリアのペイジ・グレコ選手が、中国の選手を含めた3人の激戦のすえ獲得しました。

藤井美穂選手は15位でした。
藤井選手は「ちょっとでも集団の中で走ることができて成長することはできたと思う。自分の思っていた以上に頑張ることができました。今大会はトラック種目で好成績が出せてうれしかった。これからはさらに練習を重ねてどの種目でも上位に入れるよう取り組んで、メダルをとれるまで頑張っていきたい」と話していました。

“絶対に自分が有利”

「最年少記録は二度と作れないけど、最年長記録は作れますね」

3日前のタイムトライアルで、日本選手として最年長での金メダルを獲得した杉浦選手が自転車のロードレースで2つめの金メダルを獲得し、見事に有言実行しました。

杉浦選手にとってロード種目は、世界選手権を制するなど得意種目。傾斜の強い坂や難しいカーブが特徴の富士スピードウェイも全日本選手権で経験済みで、事前に試走してポイントを地図に書き込み、繰り返しイメージトレーニングも行ってきました。

「絶対に自分が有利」と強い自信をもって臨んだレースで、杉浦選手は先頭集団でレースを進め、周回の終盤にある上り坂を利用してライバルたちをふるい落としていきました。

そして、最後まで食らいついてきた中国選手もフィニッシュまで続く3キロ余りの上り坂で突き放す圧倒的な力を見せました。

「障害や年齢に関係なく成長できることを証明したい」と話してきた杉浦選手。初出場のパラリンピックで2つの金メダルを獲得し、まさにロードの女王に輝きました。

競技歴はまだ4年。みずからを“伸びしろだらけ”と称する50歳のホープは今後も記録を伸ばし続ける、そう思わせてくれる快走でした。

自転車の大会で転倒 競技歴4年

杉浦選手は、静岡県掛川市出身。45歳のとき自転車の大会で転倒して記憶力などが低下する「高次脳機能障害」と右半身のまひが残り、よくとしの2017年からパラ選手として競技を始めました。
それから2年続けてロードの世界選手権で優勝し、2018年には国際競技団体からその年に最も活躍した選手に選ばれました。
2020年はトラックの世界選手権でも銅メダルを獲得するなどロードとトラックの両方で結果を残しました。

初出場となった東京パラリンピックでは、先月31日に行われた女子個人ロードタイムトライアル運動機能障害のクラスの決勝で金メダルを獲得し、ロードレースと合わせて二冠となりました。