繁華街の“滞留人口” 東京では夜間に急増 感染再拡大の懸念

1日に開かれた厚生労働省の専門家会合では、8月29日までの全国の主要な繁華街の人出のデータが示されました。東京都ではお盆明けから夜間の人出が急増していて、感染の再拡大が懸念されます。

このデータは東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターが1日の厚生労働省の専門家会合で示しました。

各自治体の主要な繁華街を対象に、個人を特定しない形で得られた携帯電話の位置情報から、職場や自宅以外で15分以上滞在していた人の数を「滞留人口」として、500メートルメッシュで時間ごとに分析しています。

今回、分析の対象となったのはいずれも8月29日までのデータです。

首都圏

▽東京都では新宿や渋谷、六本木など7か所の繁華街のデータを基に分析しています。

夜間の滞留人口がお盆明けから2週連続で急激に増加し、今回の緊急事態宣言が出される前の高い水準に近づきつつあります。

特に感染のリスクが高いとされる午後10時から深夜0時までの時間帯では、お盆明けの2週間で24.7%の増加と、大型連休明けとほぼ同じスピードで増加していて、こうした状況が続くと再び感染が拡大するおそれがあるとしています。

政府の分科会は東京都の人出を、今回の緊急事態宣言の直前の7月前半に比べて50%減らすよう求めていますが、夜間の滞留人口は宣言前から19.1%の減少にとどまっています。

▽千葉県では夜間、昼間ともに滞留人口はお盆明けから2週連続で急激に増加し、宣言前の水準にほぼ戻りつつあります。感染の再拡大が懸念されます。

▽神奈川県は夜間の滞留人口が緩やかに増加しているものの、第4波の際の最低水準に近い水準を維持しています。昼間の滞留人口は2週連続で増加しています。

▽埼玉県は夜間の滞留人口はお盆明け以降も顕著に増加することなく、低い水準を維持しています。昼間の滞留人口も横ばいで推移しています。

関西

▽大阪府では夜間、昼間ともに滞留人口がお盆明けから2週連続で増加し、高い水準で推移しています。
感染のリスクが高いとされる午後10時から深夜0時までの時間帯では宣言前の水準に戻りつつあり、今後の感染状況への影響が懸念されます。

▽兵庫県では夜間、昼間ともに、お盆明けに滞留人口が下げ止まりましたが、増加には転じず、低い水準を維持しています。

▽京都府では、夜間の滞留人口が第4波の際の最低水準と比べると高い水準で推移していましたが、緊急事態宣言対象地域となった後の直近1週間で増加に転じています。

九州・沖縄

▽福岡県では滞留人口がお盆明けから増加に転じていましたが、緊急事態宣言が出された後の直近1週間で、夜間はわずかに増え、昼間はわずかに減っています。

▽沖縄県では滞留人口がお盆明けに減少していましたが、直近1週間で夜間や昼間ともに再び増加に転じています。