新型コロナ 国内感染150万人超える “第5波”で加速度的に拡大

国内で新型コロナウイルスの感染が確認された人の数は、9月1日、累計で150万人を超えました。
国内での感染が始まってから感染者が50万人を超えるまでおよそ1年3か月かかりましたが、100万人となってから150万人を超えるまではわずか26日で、感染は加速度的に拡大しました。

新型コロナウイルスに感染した人が、日本国内で初めて確認されたことが明らかになったのは去年1月16日。

中国の武漢に渡航していた神奈川県に住む30代の男性が肺炎の症状を訴え、感染が確認されたケースでした。

その後、国内でも感染拡大が起き、「第1波」「第2波」を経て、去年10月30日に10万人を超えました。

このあと、首都圏などを中心とした年末年始の「第3波」、そしてイギリスで最初に確認された変異ウイルス「アルファ株」の感染が広がったことし3月以降には、関西を中心に「第4波」の急速な感染拡大が起き、国内の感染者数は、4月9日に50万人を超えました。

そして、感染力がさらに強い「デルタ株」が主流となった「第5波」では、これまで経験したことのないスピードで感染が広がり、国内の感染者数は8月6日に100万人を超え、きょう9月1日、150万人を超えました。

累計の感染者数が、
▽50万人を超えるまでにはおよそ1年3か月かかりましたが、
▽50万人から100万人になるまでは4か月足らず、
そして
▽100万人から150万人を超えるまではわずか26日で、
感染は加速度的に拡大しました。

全国で一日に発表される感染者数はこのところ2万人前後で、多い状態が続き、重症患者数も過去最多レベルの状況が続いている一方、自宅で療養している人の数も、8月25日の時点で11万8000人余りと過去最多になっています。

首都圏などでは、医療体制が危機的な状況に陥っていて、亡くなる人も増加傾向にあります。

一方、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、
国別の累計の感染者数は9月1日の時点で
▼アメリカで3920万人、
▼インドで3277万人、
▼ブラジルで2078万人、
▼フランスで683万人、
▼イギリスとロシアで682万人など、
世界各地で150万人を超えている国は日本以外に27か国あり、デルタ株の世界的な拡大でワクチン接種が進んだ国でも感染は増加傾向にあります。

官房長官「医療資源を活用し、医療提供体制の構築を」

加藤官房長官は午後の記者会見で「重症者も含め、患者を受け入れることができる病床をしっかり確保していくことが必要だ。重症のリスクを防ぐ、いわゆる『抗体カクテル療法』を進めていくため、各自治体で臨時の医療施設の開設が行われている。自宅・宿泊療養者が、症状が悪化した場合、一時的な酸素投与や、投薬療養などが可能な施設の整備も並行して進めていただいている」と述べました。

そのうえで「国としては、こうした取り組みが、さらに進むように連携を図りながら、医療資源を活用し、医療提供体制を構築していただくよう取り組んでいきたい」と述べました。

日本医師会 中川会長「長期戦を覚悟しなけばならない」

日本医師会の中川会長は、記者会見で「夏休みも終わり、通常の行動に戻ってきたので、新規感染者数が再び拡大に転じるおそれもある。発令中の緊急事態宣言などは今月12日までだが、それまでに感染状況や医療提供体制のひっ迫が一気に改善するとは考えにくく、長期戦を覚悟しなければならない。今までの基準では、解除は難しいのではないか」と述べました。