JR西日本 最大2786億円余資本増強 コロナで悪化の財務基盤強化

JR西日本は、新型コロナウイルスの影響で悪化した財務基盤を強化するため、最大で2786億円余りの資本増強を行うと発表しました。

発表によりますと、JR西日本は、新たに株式を発行して市場から資金を調達する「公募増資」などの手法で、今月中に最大で2786億円余りの資金を調達します。

民営化後、公募増資を行うのはJRグループでは初めてだということで、調達する資金で新型コロナウイルスの影響で悪化した財務基盤を強化します。

JR西日本は、感染拡大に伴って新幹線などで利用客が減少し、昨年度の決算が2332億円の最終赤字に、今年度も815億円から1165億円の最終赤字になるという見通しを示しています。

今回の増資で得られる資金は、債務の返済のほか、新幹線の車両増強や老朽化した特急列車の更新、それに、スマートフォンを活用したIC乗車券などのデジタルサービスへの投資に充てるということです。

JR西日本の長谷川一明社長は、1日開いた記者会見で「日々のオペレーションに必要な資金は十分確保しているが、債務がかなり積み上がり、財務基盤は弱くなっていた。財務基盤を整えつつ、安全投資を確保して成長投資を進めるためには、増資による資金調達がベストだと判断した」と述べました。

航空・旅行関連業界で財務基盤強化の動き

新型コロナウイルスの影響で、厳しい経営が続く航空や旅行関連の業界では財務基盤を強化する動きが相次いでいます。

航空大手では
▽ANAホールディングスが2976億円
▽日本航空も1829億円の
資本増強を行いました。

また▽西武ホールディングス傘下の西武鉄道とプリンスホテルが議決権のない代わりに配当が高い「優先株」を発行することで合わせて800億円の増資を行いました。