デジタル庁 職員の3分の1が民間出身 透明性や公平性確保が課題

1日、発足したデジタル庁は、職員の3分の1が民間出身の人材で占められ、関係する企業などとの関係で疑念を招かないよう、高い透明性や公平性を確保することが課題となっています。

デジタル庁の前身となる内閣官房IT総合戦略室では、東京オリンピック・パラリンピックで観客の健康管理などを行うアプリをめぐって、所管していた平井デジタル改革担当大臣や幹部職員と、受注した企業側との不適切な関係が報じられました。

この問題についてIT総合戦略室は、外部の弁護士らによる調査報告書を先8月20日に公表しました。

報告書では、IT総合戦略室の民間出身者の依頼で、守秘義務がない民間企業の社長がプロジェクトの一員に組み込まれ仕様書の作成なども行ったうえ、この社長の会社がアプリの業務の一部を6億6000万円で受託したとしています。

また室長代理だった神成淳司氏は、このアプリで採用されたシステムの開発責任者として一定の利益を得ることになっていましたが、この状況が週刊誌で報道されたあと、その権利を放棄したとされました。

さらにIT総合戦略室の参事官らは、入札の予定価格を決める際に、1社の見積もり金額を別の会社に漏らしていたということです。

報告書は法令違反はなかったとしつつも「調達手続きの公正性に対して、国民の不信を招くおそれもある不適切なものだった」などと指摘しています。

この問題を受け、平井大臣は大臣給与の1か月分を自主返納したほか、内閣官房は神成氏ら3人を訓告処分に、室長ら3人を厳重注意としました。

デジタル庁は、およそ600人の職員のうち3分の1に当たる200人ほどが民間出身の人材で、今後も民間からの出向などを積極的に受け入れる方針です。

このため、システムなどを調達する際に出向元や兼業先の企業に対して便宜供与するといった利益相反が起きないよう、高い透明性や公平性を確保することが課題となっています。

デジタル庁では今後、民間採用の職員について、兼業先の情報に加えて保有する株式や特許権などを登録させ、利益相反行為には関わらないと誓約を求めるほか、入札に関わる職員を事前に制限するなどの対応を取る方針です。

専門家「民間登用重要な一方 契約の透明性が大事」

公共事業の契約に詳しい上智大学法学部の楠茂樹教授は、デジタル庁に期待される点について「官公庁にはIT人材が少なく、発注する側が知識の面で外部の業者に依存し、業者が主導権をとる状況になっている。デジタル庁が民間から積極登用して知識を埋めていくことは重要で、知識の面での格差をなくして予算を効率的に執行していくべきだ」と指摘しています。

一方で、民間の人材を多く採用することの課題について「民間の人材のほうが外部業者とのパイプがあり、民間との関わりが深くなればなるほど契約の透明性が大事になってくる。競争の公正さを担保する仕組み作りが課題だ」と話していました。