新学期スタート 分散登校・オンライン授業 一方で不安の声も

各地で緊急事態宣言が出される中、1日、多くの学校で新学期が始まりました。新型コロナウイルスの感染対策で検査キットを用意したり、オンライン授業を行う学校もある一方で、生徒や保護者からは不安の声も上がっています。

都立のすべての学校にPCR検査キット配る

ほとんどの東京都立の学校では1日から2学期がスタートし、感染防止対策として時差通学や短縮授業、オンライン授業を活用した分散登校などを実施します。

都の教育委員会は、今月を「対策強化月間」と位置づけ、新たな対策として、子どもたちや教職員の感染が確認された場合、濃厚接触者に相当する人にPCR検査を受けてもらえるよう都立のすべての学校に検査キットを配りました。

高校と中高一貫教育校、特別支援学校のあわせて253校が対象で、1日までに1校あたり50セットを届け、今後、100セットまで増やすことにしています。

保健所の業務がひっ迫し、濃厚接触者の特定が難しくなっていることを受けた対応で、「マスクを外して1メートル以内で15分以上、接触があったこと」を濃厚接触者相当とする目安として各学校に示しているということです。

また、検査を行う前には書面で保護者の同意を得るとしています。

一方、区立や市立などの小・中学校や幼稚園については、検査が必要になった場合に都の教育委員会から検査キットを送ることにしています。

オンラインで始業式(名古屋)

愛知県ではほとんどの公立の小中学校で2学期の始業式が行われました。

このうち名古屋市東区の東桜小学校の始業式は、新型コロナウイルスの感染防止のため各教室と校長室をオンラインで結んで行われ、全校児童およそ340人が参加しました。

この中で新井宏法校長は「日本中で新型コロナの感染が広がっていて不安もあると思いますが、みんなで協力して感染を広げないようにしましょう」と呼びかけました。

各教室では子どもたちの席の間隔をできる限りあけたり、窓を開けて換気をしたりするなどの感染対策がとられています。

小学6年生の男子児童は、「密にならないように気をつけて、みんなと仲よく過ごしたいです」と話していました。

宣言の期間中 オンライン授業(福岡)

福岡市中央区の福岡雙葉小学校では、緊急事態宣言の期間中、原則すべての学年でオンラインで授業を実施することにしています。

4年生の教室では、自宅にいる20人余りの児童とオンラインでつないで「朝の会」が行われ、子どもたちは夏休みに頑張ったことをそれぞれ報告しました。

児童の1人は「夏休みが明けて友だちに会えないのは残念ですが、オンラインでもみんなの顔が見られてうれしかったです。早くコロナが収まって学校が再開してほしいです」と話していました。

盲学校でもオンライン授業(水戸)

新型コロナウイルスに感染する子どもが増えていることから、茨城県は緊急事態宣言の期間中、県立学校の授業をオンラインで実施することを決め、県立以外の学校にも同様の対応を求めています。

水戸市にある県立盲学校でも夏休み明けの授業がオンラインに切り替わり、小学6年生のクラスでは教員がタブレット端末に映った児童2人の表情を見ながら算数の授業をしていました。

児童はそれぞれの自宅で点字の教科書を触りながら授業に参加し、教員が出した問題に手を挙げて答えていました。

このクラスでは1日、立体の体積の計算方法などを学ぶ授業が行われる予定でしたが、児童が教室で立体の模型に触れることができなくなったため、授業では分数を扱ったということです。

授業を担当した副担任の菊池哲司教諭は「オンラインだと児童がつまずいたときにどこまでフォローできるか不安な気持ちがありますが、なるべく身近な話題を出しながらわかりやすく教えていきたいです」と話していました。

オンライン授業の準備で児童混乱も(東京 世田谷)

小中学校の2学期を予定通り1日から始めた世田谷区。3日からの6日間を分散登校としてクラスを2つのグループに分けて、1日ごとに▽半分の児童が登校し、▽登校しないグループは家庭でオンライン授業を受けることになっています。

そのため学級活動では、オンライン授業に向けてひとりひとりに配付されたタブレットの操作方法を確認していました。

この学校では、1学期にもタブレットを使った授業を行っていますが、学校と家庭をつなぐオンライン授業は今回が初めてです。

4年生のクラスではオンライン授業で使用するアプリを立ち上げるために必要なパスワードを入力する際、かな文字と英数字の入力の切り替えや英語の大文字と小文字を使い分ける操作に苦戦する子もいて、先生や友達に手伝ってもらう様子もみられました。

このほか1年生のクラスでは、まだABCの英文字を分からない児童も多く、ほとんどの子どもたちが教員の手助けが必要な状況だったということです。

4年生の女子児童は、「リモート授業になることはびっくりしましたが、きょう教えてもらってできそうだと思いました。学校の外遊びができなくなるので、なるべく外で走ったり運動したいと思います」と話していました。

進路指導もオンライン(横浜)

横浜市の光陵高校では、1、2年生は週1日、3年生は週2日、クラスの半分ずつが登校し、残りはオンラインで授業を行うことになりました。

1日は「大学入学共通テスト」の説明会も予定されていましたが、全員が集まれなくなったため、進路指導の担当教諭が説明用の動画を配信していました。

小島淳子校長は、「生徒たちはこの状況がいつまで続くのか先が見えない不安が大きいと思う。少しでも安心してもらえるようにできる限りの取り組みをしていきたい」と話していました。

放課後児童クラブ「長時間の受け入れは大変」(大分)

大分市の小中学校などでは、子どもを含む若い世代にも感染が広がっていることを受け、先月30日から学年やクラスごとに分かれて登校する分散登校を行っています。

このため大分市金池町にある放課後児童クラブでは、登校日でない子どもの受け入れを、通常の午後3時ごろから早めて午前中から行っていて、1日も正午すぎには20人ほどが過ごしていました。

この児童クラブでは、ふだんよりも滞在時間が長くなる子どももいるため、夏休み明けから不織布のマスクを用意して、全員に着用させています。

また、指導員が、遊ぶときに密にならないようこまめに声をかけたり、おはじきやブロックなどを使うたびに消毒したりするなど、感染対策を徹底していました。

放課後児童クラブの指導員の小今井寛さんは「長時間の受け入れは大変ですが、ひとり親や共働きで預け先に困る家庭もあるので、感染対策をしながら受け入れを続けたい」と話していました。

SNS上では不安の声が相次ぐ

全国各地で学校が再開する中、SNS上では不安の声が相次いでいます。

「今日から2学期。(中略)うちの子たちは不織布マスクでとりあえず登校。明日以降、給食も始まるし本当に不安しかないな」

「新学期入ってから子供が学校怖がって行きたがらない。原因はコロナです。どうしたらいいもんか」

「自分の子がコロナになったら色々後悔するだろうし。学校側が一学期より対策強化してるのか不明だし(先生が全員不織布マスクとか、休み時間に手洗い徹底させるとかそういうアナウンスゼロ)、かといって、自主休校の勇気も無いし…。なんで親がこんなに悩まなくちゃいけないのよー」

一方で、分散登校やオンライン授業などの取り組みには戸惑いの声も上がっています。

「学校からの連絡。明日から分散登校+オンライン授業。ほんまにさ小学生が親おらずにオンライン出来ると思ってるんかな」

「クラスをオンラインと登校半数に分け、翌日は交代という形で学校再開。全員オンラインで良いのではと思うけど、一歩前進と無理矢理納得。覗かせてもらったけど、年配の先生が頑張って配信してて(設定で苦戦して授業にはなってない笑)有難く思いました」

専門家「学校はガイドラインなどに基づいて必要な感染対策を」

厚生労働省の専門家会合のあと会見した脇田隆字座長は、学校で新学期が始まることについて、「デルタ株になって10代以下でもこれまでより感染しやすくなっているが、子どもの多くは家庭で感染している。学校が再開すると学校での感染リスクも出てくるので、国立感染症研究所や文部科学省から出されているガイドラインなどに基づいて必要な感染対策をしっかり行うことが大事だ。大人から子どもへの感染が多いので、まずは教職員が感染予防について理解することが重要で、ワクチンを接種できる場合は接種してほしい。また、体調管理のアプリや抗原検査キットを活用して、体調が悪ければ、医療機関の受診や検査につなげてもらいたい」と話していました。