野党 “コロナ対策を 国会開会拒否は無責任” 強く抗議へ

政府・与党側が臨時国会の開会に応じないことに対し、立憲民主党など野党側は、新型コロナウイルス対策を急がなければならないときに議論を拒否する姿勢は無責任だとして、強く抗議していくことを確認しました。

野党側は新型コロナ対策で補正予算案の編成を急ぐべきだとして、9月7日から臨時国会を開くよう求めていましたが、政府・与党側は直ちに編成の必要はないとして応じませんでした。

これに受けて立憲民主党、共産党、国民民主党の国会対策委員長らは対応を協議し、医療の危機的な状況が続くなど、新型コロナ対策を急がなければならない時に国会での議論を拒否する姿勢は無責任だという認識で一致しました。

そして、社民党も加えた野党4党で共同声明を出し、政府・与党側に強く抗議していくことを確認しました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に「今の自民党は大変な状態にある国民に背を向けて内輪のことに必死になっていて、率直に言ってあさましい。まともに新型コロナ対策もせず、党利党略に走る与党側に厳しい対応をしていく」と述べました。

立民 安住国対委員長「政治日程示さないのは職務放棄」

また、安住国会対策委員長は「一歩、永田町の外に出れば、コロナ禍で本当に困っている人ばかりで、この自民党の『狂騒曲』を『何をやっているんだ』と冷めた目で見つめている。やらなければいけないことがたくさんあるのに、政治日程を示さないのは職務放棄だ。選挙日程も示されておらず、無責任だ」と批判しました。

共産 志位委員長「政府の対応正すため臨時国会を」

共産党の志位委員長は記者会見で「政府の今の新型コロナ対応は、科学を無視し、国民にきちんとした説明もしていない。さらには自宅療養などの自己責任論を押しつけるという致命的な欠陥があり、それを根本から正していく必要がある。政府の対応を転換する論戦をやるために、臨時国会をただちに開くことを引き続き求める」と述べました。

国民 玉木代表「コロナ対策優先なら臨時国会を」

国民民主党の玉木代表は、記者団に対し「新型コロナ対策に最優先で取り組むため、今は解散できる状況にないと言うのであれば、必要なのは臨時国会の召集だ。国会を開かず、法改正も補正予算の編成もしないのであれば『新型コロナ対策に最優先』ということばがうそになる」と指摘しました。

一方、自民党の役員人事や総裁選挙について「二階幹事長をかえて感染者が減るのであれば交代させればいいが、国民からは単なる組織内の争いにしか見えない。国民の命と健康を最優先に必要な対策を速やかに講じるよう強く求めたい」と述べました。

加藤官房長官「臨時国会召集 与党とよく相談をして対応」

加藤官房長官は午前の記者会見で「臨時国会召集については、引き続き、与党とよく相談をして対応していく。予備費について、補正予算を組む必要がないと判断したので、そのための国会は、今回はやらないと申し上げたということで、臨時国会そのものをやらないことを申し上げているわけではない」と述べました。