東南アジア 感染多数もワクチン接種条件に制限緩和の動き

東南アジアでは新型コロナウイルスの感染者や死者の数が依然多い状態が続いているものの、ワクチンの接種を条件に制限の一部を緩和する動きが出ています。

このうちインドネシア政府は、これまで首都ジャカルタなどで製造業の従業員の出勤を制限していましたが、31日からはワクチンの接種歴があることなどを条件に、原則、出勤を認めるよう制限を緩和しました。

また、ジャカルタの一部の小中学校や高校などでは、今週、対面での授業を再開しました。

再開は去年4月以来で、12歳以上の児童生徒や教師はワクチンの接種歴があることが出席の条件です。

一方、タイの首都バンコクでは、商業施設の営業やレストランの店内での飲食などが1日から再開されます。

中心部にあるショッピングモールでは、少なくとも1回はワクチンを接種していることを従業員の出勤の条件にしています。

タイ政府は当初、ワクチンを2回接種するなど接種が完了していることを緩和の条件にできないか検討しましたが、接種が完了した人の割合は11%余りにとどまっていて、結局、政府として緩和の条件にすることは見送り、努力目標にとどめました。

保健省の担当者は「感染状況は常に変わりうるので、今後も注意深く見ていかなければならない」と話しています。

各国の保健当局の31日の発表では、インドネシアで新たに確認された感染者は1万534人、死者は532人、タイは感染者が1万4666人、死者が190人と、依然多い状態が続いています。