アフガニスタンからの退避 派遣の自衛隊機の撤収決定 岸防衛相

アフガニスタン情勢の悪化を受け、岸防衛大臣は、日本人などを国外に退避させるために派遣していた自衛隊機の撤収を決め、輸送活動の終結を命じました。退避を希望している大使館や国際機関で働くアフガニスタン人のスタッフなどへの支援は、引き続き周辺国にとどまる外務省職員などがあたることにしています。

アフガニスタン情勢の悪化を受け、政府は、日本人などを国外に退避させるため自衛隊機を現地に派遣し、先週には日本人女性1人とアフガニスタン人14人が、それぞれ自衛隊機によって、隣国パキスタンの首都イスラマバードに退避しました。

政府は、状況の変化に対応するため、その後もイスラマバードに自衛隊機を待機させていましたが、アフガニスタンに駐留していたアメリカ軍の撤退が完了したことを受けて、31日、自衛隊機の撤収を決め、岸防衛大臣が輸送活動の終結を命じました。

派遣されていた自衛隊の部隊などは今後速やかに帰国する予定です。

アフガニスタン国内では、大使館や国際機関で働くアフガニスタン人のスタッフなど500人以上が退避を希望していて、引き続き外務省職員などが周辺国にとどまり、支援にあたることにしています。

今回の自衛隊の活動は

今回、自衛隊は、陸上自衛隊と航空自衛隊の隊員からなる統合任務部隊を編成し、およそ260人を現地に派遣しました。

また、C2輸送機1機とC130輸送機2機、そして政府専用機1機を、活動拠点となった隣国パキスタンの首都、イスラマバードに送りました。

自衛隊の輸送機が最初にカブールの空港に入ったのは今月25日の夜です。

C2輸送機が空港内で誘導にあたる隊員や任務に必要な資機材を届けるなどしました。

退避を希望する人が空港にいれば、イスラマバードまで輸送する予定でしたが、空港に到着できた人はいませんでした。

翌26日の午後にもC130輸送機がカブールに資機材を運びましたが、この時も退避希望者は空港におらず、輸送は行われませんでした。

この日の夜、再びC130輸送機がカブールに向かいました。

そして、空港にいたアフガニスタン人14人を乗せ、イスラマバードに退避させました。

関係者によりますと、14人は旧政権に関係する人などで、アフガニスタンに残った場合、迫害されるおそれがあり、アメリカの要請で退避が行われたということです。

また、自衛隊法に基づく「在外邦人などの輸送」で外国人を運んだ初めてのケースとなりました。

そして、翌27日夜にも、C130輸送機2機がカブールに入りました。

この時、空港には退避を求めて待機していた日本人女性がいました。

自衛隊はこの女性を乗せ、イスラマバードに送り届けました。

先遣チームとしてカブールに入っていた外務省の職員や自衛隊員らも、輸送機で現地を離れました。

今回、自衛隊は、派遣した3機の輸送機を可能なかぎり活用し、退避を希望する人をできるだけ多く輸送しようとしていました。

しかし、日本政府が退避の対象と想定していたおよそ500人のうち、実際に輸送したのは日本人1人で、日本大使館やJICA=国際協力機構で働くアフガニスタン人のスタッフなどはひとりも退避させることができませんでした。

関係者によりますと、タリバンが設けた検問の通過が認められないなど、空港までの移動が難しい状態が続いたということです。

また、今月26日には、輸送機に乗るために集まっていた日本人など数百人が、空港周辺で起きた大規模な爆発の影響で、退避を断念せざるをえなくなりました。

すでにバスで空港に向かっていた人もいましたが、いったん解散することを余儀なくされたということです。

自衛隊はその後も状況の変化に備えてイスラマバードで待機を続けていましたが、今月28日以降は一度もカブールに入らないまま、撤収することになりました。