夏の甲子園決勝 智弁和歌山が優勝 21年ぶり3回目

甲子園球場で開かれた夏の全国高校野球は決勝が行われ、智弁和歌山高校が奈良の智弁学園との兄弟校対決に9対2で勝ち、21年ぶり3回目の優勝を果たしました。

夏の全国高校野球の決勝は、3回目の優勝を目指す智弁和歌山と初優勝を目指す智弁学園の顔合わせとなり史上初めての兄弟校対決となりました。

智弁和歌山は1回、6番 渡部海選手と7番 高嶋奨哉選手の連続タイムリーなど、ヒット5本を集めて4点を先制しました。

2回に2点を返され、4回には、1アウト二塁三塁のピンチを招きましたが、リリーフしたエースの中西聖輝投手が連続三振を奪い無失点で切り抜けました。

この大会、全試合でふた桁安打をマークしてきた打線は、6回以降、毎回得点を加えてリードを広げ、決勝も16本のヒットを打って9点を奪いました。
智弁和歌山は、智弁学園に9対2で勝ち平成12年以来21年ぶり3回目の優勝を果たしました。

智弁学園は、5つのイニングで先頭打者が出塁しましたが、打線につながりを欠き、得点が2回の2点のみにとどまり、初優勝はなりませんでした。

20年ぶり復活「七番」や“魔曲”ジョックロック 応援歌も話題に

智弁和歌山高校と奈良の智弁学園の兄弟校対決となった決勝は一塁側と三塁側の応援席も両校のチームカラーの赤と白で染まりました。

そんな中、両校の特徴が出たのが応援歌でした

三塁側の智弁学園ではことしは「七番」と呼ばれるチャンステーマが流されました。「七番」は卒業生が作曲したオリジナルソングで、アレンジを加えておよそ20年ぶりにこの夏、復活しました。決勝でも2回にワンアウト二塁のチャンスでこの曲が流れると、智弁学園の打線がつながって2点を返し、スタンドは盛り上がりました。

一方、一塁側の智弁和歌山は6回以降、チャンスを迎えるたびに高校野球ファンの間で「魔曲」として知られるオリジナル曲「ジョックロック」が流されました。「ジョックロック」のリズムに乗った智弁和歌山打線は終盤、得点を重ねて突き放しました。グラウンドだけでなく、スタンドの応援でも互いの持ち味を発揮した兄弟校対決がみられました。

智弁和歌山 宮坂厚希主将「39人の部員全員で取れた日本一」

智弁和歌山高校のキャプテン、宮坂厚希選手は「日本一を目指してきたので、優勝できて素直にうれしいです。苦しい状況になることも多く、智弁学園は強いチームだと感じました。このチームの持ち味は全員野球で、39人の部員全員で取れた日本一だと思います」と笑顔で話しました。
そのうえで「去年の先輩たちは大会が開かれなかったので、日本一を目指すことすらできませんでした。自分たちはいろいろな方々のおかげで日本一になれました」と話し、大会が開催されたことに感謝の気持ちを示していました。

智弁和歌山 中谷仁監督「打ち勝たないと優勝ないと覚悟」

智弁和歌山高校の中谷仁監督は「甲子園を目指せなかった苦しい去年を経て、選手たちが努力してきた結果だと思います。智弁学園は強力打線なので、打ち勝たないと優勝はないと思って、1回から覚悟を決めていきました」と話しました。
また、投手起用については「先発の伊藤は大きな試合に強いのでマウンドに送り出しました。ほかのピッチャーも準備させていましたが、準決勝で完投したエースの中西が『先発でも行けます』と朝話していたのでリリーフさせました」と話しました。
そのうえで「選手たちには『いろいろな制約がある中で、決まったことを集中してやろう』と声をかけていましたが、勝利への執念で優勝できて本当にうれしいです」と雨によるたび重なる延期や対戦相手の出場辞退による不戦勝などがあった大会を振り返っていました。

智弁学園 山下陽輔主将「相手投手の狙い球など共有できず」

智弁学園のキャプテン、山下陽輔選手は「チームで相手投手の狙い球などを共有できず、バッティングがうまくいかなかったことが敗因です。智弁学園としては最高成績の準優勝でうれしいが目標の日本一には届かず、悔いも少し残ります。次のチームは甲子園で勝ちと負けの両方を経験したこと生かして日本一を目指してほしい」と話しました。

智弁学園 小坂将商監督「選手たちはよくやった」

準優勝の智弁学園 小坂将商監督は「絶対に勝つという強い気持ちで試合に臨んだが、1回に4点を奪われ、6回もエラーが絡んで失点するなど相手に主導権を握られました」と試合を振り返りました。
また、今大会で好投してきた西村投手と小畠投手については「甘く浮いた球を打たれてしまったが、疲れがある中でなんとか投げてくれました。春のセンバツ大会以降、2人で競いあいながらよく成長してくれました」とねぎらっていました。
そして「日本一という目標はかないませんでしたが、選手たちはよくやりました。甲子園で6試合できた経験を生かしてまた戻ってきたい」と話していました。

去年 智弁和歌山で指導のイチローさんも喜びのコメント

智弁和歌山高校が優勝したことについて、去年12月に3日間、選手たちを指導した日米通算で4367本のヒットをマークしたイチローさんは「初めて智辯和歌山高校のグラウンドを訪れたとき、本気で日本一を目指しているチームだと感じました。そのために厳しい練習を重ね、悔しい思いもしてきたと思います。選抜に出場できなかったどん底から頂点まで這い上がってきたこと、なんとなくではなく本気で目指していた日本一になったこと、そして野球の面白さを改めて教えてくれたこと、見事でした。おめでとう。」とコメントを出しました。

智弁和歌山OB 広島 林「僕自身もすごく刺激をもらった」

智弁和歌山高校のOBでプロ野球・広島の3年目林晃汰選手は29日、試合前の練習で円陣が組まれた時にチームメートの前で母校の校歌を披露しました。
林選手は母校が優勝したことについて「甲子園優勝おめでとうございます。コロナ禍や天候の影響がある中で本当に大変だったと思いますが後輩たちの戦う姿勢、全力プレーを見て僕自身もすごく刺激をもらいました。智弁和歌山のOBとして後輩たちに負けずにこれからも頑張っていきたいです。監督、選手をはじめ、学校関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。おめでとうござます」とコメントしました。

智弁和歌山OB 楽天 黒川「ユニフォーム はっきり見分けついた」

去年智弁和歌山高校を卒業したOBでプロ野球 楽天の黒川史陽選手が球団を通じてコメントを発表し「優勝おめでとうございます。コロナ禍ということもあり、いろいろな方々のサポートや応援があっての優勝だと思います」と後輩たちをたたえました。
「兄弟校」の奈良の智弁学園との決勝については「“智弁対決”でユニフォームが分からないと話題になりましたが、僕にははっきり見分けがつきましたし、智弁和歌山をしっかり応援していました」と、出身は奈良県ながらも母校への愛着を示しました。
その黒川選手は高校時代、監督として甲子園で歴代最多の通算68勝をあげた高嶋仁さんと、現役時代に楽天でもプレーした中谷仁監督の2人に指導を受け、春夏5大会連続で甲子園に出場していて、「2人の指導を受けたことが自分の財産になっていますし、智弁和歌山で野球ができたことを誇りに思っています」と振り返りました。
そのうえで、「後輩たちから刺激をもらったので、自分も負けないように“智弁魂”で頑張りたい」としています。

《試合詳細》

先攻 智弁和歌山高校先発メンバー

1番【中】宮坂 厚希
2番【二】大仲 勝海
3番【左】角井 翔一朗
4番【右】徳丸 天晴
5番【一】岡西 佑弥
6番【捕】渡部 海
7番【三】高嶋 奨哉
8番【投】伊藤 大稀
9番【遊】大西 拓磨

1回表 智弁和歌山が4点 智弁和歌山 4-0 智弁学園

1回表、先頭の宮坂が初球を捉え、センターオーバーのツーベース。このあと一塁三塁として犠牲フライで先制。さらに2本のタイムリーで3点を追加しました。智弁和歌山が4点をあげました。

1番 宮坂 ツーベースヒット
2番 大仲 ライト前ヒット
3番 角井 見逃し三振
4番 徳丸 センターへの犠牲フライで先制 一塁ランナーも二塁へ進塁
◇智弁和歌山 1-0 智弁学園
5番 岡西 ライト前ヒット
6番 渡部 タイムリーツーベース
◇智弁和歌山 2-0 智弁学園
7番 高嶋 レフト前2点タイムリーヒット
◇智弁和歌山 4-0 智弁学園
8番 伊藤 ライトフライ

後攻 智弁学園高校先発メンバー

1番【左】前川 右京
2番【中】森田 空
3番【遊】岡島 光星
4番【三】山下 陽輔
5番【一】垪和 拓海
6番【捕】植垣 洸
7番【二】中陳 六斗
8番【右】谷口 綜大
9番【投】西村 王雅

1回ウラ 智弁学園は無得点 智弁和歌山 4-0 智弁学園

1回ウラ、智弁学園も先頭バッターがヒットで塁に出ましたが、盗塁失敗もあって得点できませんでした。
1番 前川 センター前ヒット
2番 森田 ショートゴロ
3番 岡島 ショートゴロ その後一塁ランナー盗塁失敗でチェンジ

2回表 智弁和歌山は無得点 智弁和歌山 4-0 智弁学園

2回表、ツーアウトからセーフティーバントで塁に出ましたが、得点できませんでした。
9番 大西 空振り三振
1番 宮坂 ライトフライ
2番 大仲 セカンドへのセーフティーバントで出塁
3番 角井 見逃し三振

2回ウラ 智弁学園2点返し智弁和歌山 4-2 智弁学園

2回ウラ、ワンアウト二塁から植垣のタイムリー内野安打で1点を返しました。さらに谷口のライト横へのタイムリースリーベースで2点目をあげました。

4番 山下 フォアボール
5番 垪和 送りバント
6番 植垣 セカンドへのタイムリー内野安打
◇智弁和歌山 4-1 智弁学園
7番 中陳 レフトフライ
8番 谷口 ライトへのタイムリーヒット
ボールはライトフェンスに転がる間にバッターランナーはホームに突入するもアウト
記録はスリーベースヒット
◇智弁和歌山 4-2 智弁学園

3回表 智弁和歌山は無得点 智弁和歌山 4-2 智弁学園

3回表、智弁和歌山は内野安打とフォアボールで1アウト一塁二塁としましたが、追加点はなりませんでした。
智弁学園の先発・西村投手の球数はすでに76球です。
4番 徳丸 サードへの内野安打
5番 岡西 ショートフライ
6番 渡部 フォアボール
7番 高嶋 センターフライ
8番 伊藤 センターフライ

3回ウラ 智弁学園は3者凡退 智弁和歌山 4-2 智弁学園

3回ウラ、智弁学園は内野ゴロ3つで3者凡退に終わりました。

9番 西村 ファーストゴロ
1番 前川 セカンドゴロ
2番 森田 ショートゴロ

4回表 智弁和歌山は無得点 智弁和歌山 4-2 智弁学園

4回表、智弁和歌山はツーアウトから大仲が3打席連続ヒットで塁に出ましたが、得点できませんでした。

9番 大西 レフトフライ
1番 宮坂 セカンドゴロ
2番 大仲 センター前ヒット
3番 角井 空振り三振

4回ウラ 2点を追う智弁学園 “七番”と呼ばれるチャンステーマ

4回ウラ、“七番”と呼ばれる智弁学園のチャンステーマが流れる中、ワンアウト二塁三塁と攻めましたが、智弁和歌山2人目のエース・中西に2者連続三振を喫し、得点できませんでした。

3番 岡島 センター前ヒット
4番 山下 フォアボール
智弁和歌山ピッチャーが伊藤→中西に交代
伊藤の球数は48。
5番 垪和 送りバント
6番 植垣 空振り三振
7番 中陳 空振り三振

5回表 智弁和歌山 この試合初の3者凡退 智弁和歌山 4-2 智弁学園

5回表、智弁和歌山はこの試合初めて3者凡退に終わりました。
智弁学園先発の西村の球数は102球となりました。

4番 徳丸 見逃し三振
5番 岡西 キャッチャーファウルフライ
6番 渡部 センターフライ

5回ウラ 智弁学園は無得点 智弁和歌山 4-2 智弁学園

5回ウラ、智弁学園は1アウト後、ピッチャー西村に代打を送りました。2アウトから前川がこの試合2本目のヒットを打ちましたが、得点はあげられませんでした。

8番 谷口 ショートゴロ
9番 先発投手西村→代打 三垣 空振り三振
1番 前川 ライト前ヒット
2番 森田 サードゴロ

6回表 智弁和歌山この試合初めての「ジョックロック」で1点追加

6回表、智弁和歌山はこの試合初めて「ジョックロック」と呼ばれるチャンステーマが流れる中、ワンアウト一塁三塁から宮坂がタイムリーを打って、追加点をあげました。

ピッチャーは西村から小畠に交代
7番 高嶋 サードエラー(落球)バッターランナーは二塁へ
8番 中西 送りバント失敗
9番 大西 送りバント ファーストが捕球できず1アウト一塁三塁
1番 宮坂 ライト前タイムリーヒット 一塁ランナーは走塁死
◇智弁和歌山 5-2 智弁学園
2番 大仲 フォアボール 2アウト一塁二塁
3番 角井 ファーストゴロ

6回ウラ 智弁学園は無得点 智弁和歌山 5-2 智弁学園

6回ウラ、智弁学園はこの試合4度目となる先頭ランナーを出しました。しかし両チーム通じて初めてのダブルプレーで無得点でした。

3番 岡島 セカンド内野安打
4番 山下 サードゴロ ダブルプレー
5番 垪和 フォアボール
6番 植垣 見逃し三振

7回表 智弁和歌山 2アウトランナーなしから連打で追加点

7回表、智弁和歌山は2アウトから渡部がヒット。続く高嶋が変化球を捉え、左中間を破るタイムリーツーベース。高嶋は3打点目です。

4番 徳丸 サードゴロ
5番 岡西 ショートフライ
6番 渡部 センター前ヒット
7番 高嶋 タイムリーツーベースヒット
◇智弁和歌山 6-2 智弁学園
8番 中西 サードゴロ

7回ウラ 今度は智弁学園が初の「ジョックロック」も得点ならず

7回ウラ、智弁学園は2アウト一塁から、前川がこの試合3本目のヒットとなるツーベースで二塁三塁。今度は智弁学園の攻撃で初めてチャンステーマ「ジョックロック」が流れました。しかし森田が打ち取られ、得点できませんでした。

7番 中陳 センター前ヒット
8番 谷口 センターフライ
9番 小畠 センターフライ
1番 前川 ツーベースヒット 2アウト二塁三塁に
2番 森田 空振り三振

8回表 智弁和歌山が追加点 智弁和歌山 8-2 智弁学園

8回表、智弁和歌山は1アウト二塁から大仲がこの試合4本目のヒットで一塁三塁とチャンスを広げました。2アウトとなった後、4番徳丸が右中間に2点タイムリーツーベースを打ち、リードを6点に広げました。

9番 大西 レフト前ヒット
1番 宮坂 送りバント
2番 大仲 ライト前ヒット
3番 須川 見逃し三振
4番 徳丸 2点タイムリーツーベースヒット
◇智弁和歌山 8-2 智弁学園
5番 岡西 セカンドゴロ

8回ウラ 智弁学園は得点ならず 智弁和歌山 8-2 智弁学園

8回ウラ、智弁学園は1アウトとなった後、山下がヒットで塁に出ましたが、後続が打ち取られ無得点に終わりました。

3番 岡島 レフトフライ
4番 山下 レフト前ヒット
5番 垪和 見逃し三振
6番 植垣 レフトフライ

9回表 智弁和歌山 2年生渡部の大会36号のソロHRで追加点

9回表、智弁和歌山はこの回先頭の2年生渡部が大会36号のソロホームランを打ちました。

6番 渡部 レフトへのソロホームラン
7番 高嶋 空振り三振
8番 中西 見逃し三振
9番 大西 センター前ヒット
盗塁成功
1番 宮坂 ライトフライ

9回ウラ 智弁学園は3者凡退 智弁和歌山が21年ぶり3回目の優勝!!

9回ウラ、智弁学園は3者凡退に終わり智弁和歌山が21年ぶり3回目の優勝を果たしました。

7番 中陳 空振り三振
8番 谷口 ファーストライナー
9番 小畠→代打 足立 空振り三振

兄弟校でも「微妙な違い」があるんです

一見同じように見える智弁和歌山高校と奈良の智弁学園のユニフォームですが、メーカーが別々のため、実は細かな違いがあります。両チームとも胸には朱色で「智辯」の文字が縫い込まれ、帽子やヘルメットにも朱色の「C」の文字が入っています。
しかし、智弁学園のユニフォームの色はアイボリー、智弁和歌山は白色です。また、智弁和歌山のほうが全体的に朱色が濃くなっているほか、胸の「智辯」の文字の幅がやや広くなっています。左袖の校章も異なり、智弁学園はききょうの中に「高」、智弁和歌山はききょうに一本線が引かれています。
さらに帽子のデザインも智弁学園が角ばった形なのに対して、智弁和歌山は丸みをおびています。それでもSNSでは、「遠くからは判別しづらい」とか、「間違い探しみたい」など、どちらのユニフォームか見分けがつかない高校野球ファンの声が相次ぐなど話題を集めています。

“コロナ禍”“天候不順”...異例の状況下の大会を振り返る

2年ぶりに開催された夏の全国高校野球は智弁和歌山高校の21年ぶり3回目の優勝で幕を閉じました。
ことしの大会は新型コロナの感染が再拡大する中、開幕し、高野連=日本高校野球連盟などは代表校へのPCR検査や一般客の入場を認めないなどさまざまな感染対策を講じてきました。
しかし、大会期間中に宮城の東北学院と宮崎商業の部員などが発熱し、PCR検査で陽性が確認されました。

高野連などは「集団感染」かどうかを重要視し、出場の可否を検討しました。
選手など13人が感染した宮崎商業は「集団感染」と判断されたことから出場を辞退しました。

一方、東北学院は1人が感染しただけで「個別感染」とされましたが、学校側が感染した選手が特定されるとその選手の将来に影響を及ぼす可能性があるとして、独自の判断で2回戦を前に出場を辞退しました。
東北学院の辞退については高野連の関係者から「東北学院には慎重に判断するよう求めた」や「そのような理由で辞退する代表校が出るとは思っていなかった」といった声が聞かれるなど、想定外の事態でした。

史上初となった7回の雨天順延も

また、長引く雨の影響にも悩まされました。
日程の延期は過去最多の7日を数え、雨によるノーゲームが2試合、コールドゲームが1試合ありました。
日程が延びる中、1回戦と2回戦の間が10日も空いたチームもあり、難しい調整を迫られました。
その一方で、関西勢がベストフォーを独占したことについて日程の延期が影響したと指摘する声も上がっています。
NHK高校野球解説の大矢正成さんは「関西勢は雨で試合が延期になっても各校の室内練習場で練習できる。遠方の代表校も例年なら試合の日程が詰まっているので、割り当てのグラウンドでの練習だけで十分だが、日程の延期が続くとそれだけでは練習不足になる」と話しています。

高野連などは今後、雨で中断した時点から試合を再開する継続試合の導入など対策を検討するということです。

夏の甲子園では初の「球数制限」

さらに、夏の甲子園では初めて1人のピッチャーの球数を1週間に500球以内とする球数制限が適用された大会でした。

雨の影響で日程が過密となる中、チームによっては1週間で最大5試合を戦う可能性があるなど、ピッチャーの起用方法が注目されました。
そんな中、5人のピッチャーを起用して優勝した智弁和歌山高校やダブルエースで準優勝した奈良の智弁学園など、ベストフォーに進んだチームはいずれも複数のピッチャーを擁して勝ち進みました。

これまでのようにエースが1人で投げ抜くチームは少なくなり、高校野球の新しい戦い方がより鮮明になった大会といえます。
20日間にわたった大会を通して新型コロナの感染拡大や雨による日程の延期などさまざまな困難に立ち向かい、熱戦をくり広げた選手たちの姿は勇気を与えてくれました。

しかし、来年以降も新型コロナの感染終息は見通せず、気候変動の影響が続く可能性はあります。

今後はこうした状況に左右されて選手たちの努力がむだにならないような大会運営が求められます。