渋谷 ワクチン接種会場 抽選に変更のきょうも長い列 倍率6倍超

27日想定を超える人が訪れて混乱した若い世代向けの渋谷のワクチン接種会場では、抽選に変更された28日も朝早くから大勢の人たちが訪れて長い列をつくり、一時、およそ1キロに達しました。抽選券を受け取った2200人余りのうち、接種を受けられたのはおよそ350人で、倍率は6倍を超えました。

東京都が渋谷区の「区立勤労福祉会館」に設けた若い世代向けのワクチン接種会場では、予約なしの先着順で27日、接種が始まりましたが、都の想定を超える大勢の人たちが未明から訪れたため、開始時間の正午よりも早い午前7時半に受け付けが終了するなど混乱しました。

このため、28日からは午前9時から10時半までの間に訪れた人に抽選券を配るやり方に変更されましたが、会場前には28日も朝早くから券を求める人たちの長い列ができ都は急きょ、予定を40分ほど前倒しして8時20分ごろから配布を始めました。

都によりますと、列の最後尾は一時、およそ1キロ離れたJR原宿駅の近くまで達したということで、10時半までに並んで抽選券を受け取った人は2226人でした。

都は、300人としていた接種の枠を広げて、354人が受けられるようにしましたが、倍率は6倍を超えました。

抽選の結果発表は、LINEとツイッターで11時半ごろに行われる予定でしたが、抽選券の配布がその時間になっても終わらなかったため、結果発表も遅れて正午前になりました。

会場の周辺ではスマートフォンを片手に結果を確認する人の姿が相次いで見られました。

都は、29日以降も28日と同じやり方を続けることにしていますが、担当者は「抽選券は時間内であれば渡すことができるので、朝早くから並ばないでほしい。運営方法については工夫していきたい」と話しています。

また、都は、都が設けている都庁第一本庁舎の南展望室と北展望室、それに港区の乃木坂の、3つの大規模接種会場でも若い世代が接種を受けられると呼びかけています。

この3つの会場は予約制で、若い世代の予約は、30日午前10時からインターネットで受け付けます。

抽選券を求めた人は…

28日午前8時から妹と一緒に並んだという20代の会社員の女性は「友人も感染したり、病院もひっ迫していたりして、すぐに入院できないと聞くととても怖いので、とにかく1日も早くワクチンを接種したいです」と話していました。

この女性は、抽選の結果、接種を受けられず、「とても悲しい気持ちで、この先どうしようかと思っています。思った以上に人が集まっていたし、体力的にも並ぶのはつらいので、あす以降はここに来るのではなく、ほかの方法を探ります」と話していました。

一方、抽選に当たり、接種を受けた21歳の会社員の男性は「まさか当たるとは思わなかったので、今は安心という気持ちが1番です。自治体のワクチン予約は埋まっていることが多いので、予約なしで接種できる環境をつくってもらえたのはありがたいです」と話していました。

同じく28日接種できたネパール人の34歳の女性は「きのうも来ましたが、すでに受け付けが終わっていました。きょう接種することができてうれしいです」と話していました。