コロナ急拡大“学級閉鎖は感染複数確認で5~7日程度”初基準

新型コロナウイルスの急拡大で子どもの感染が増えている中、文部科学省は学級閉鎖などを判断するための基準を初めて示しました。学級で感染者が複数確認された場合などに5日から7日程度を目安に実施を検討するとしています。

児童生徒や教職員の感染が確認された場合の学級閉鎖や休校をめぐっては、これまでは教育委員会などが、保健所による調査や濃厚接触者の特定を受け、助言を得たうえで必要性を判断してきました。

しかし、感染が急拡大している緊急事態宣言が出ている地域などで、保健所の業務がひっ迫し調査が遅れるおそれがあるとして文部科学省は厚生労働省と協議のうえ、初めて具体的な判断基準を作成しました。

この中では、濃厚接触者や検査対象者の候補のリストを学校などが作成する際の具体例が示され、検査の候補者の特定が難しい場合は感染者が1人でも学級全員を検査の対象とできるとしています。

そのうえで学級閉鎖については
▽同じ学級の中で複数の児童や生徒の感染が判明した場合や、
▽感染者が1人でも複数がかぜなどの症状を訴えていたり、複数の濃厚接触者がいたりするなど、学級内で感染が広がるおそれが高い場合に実施を検討するとしています。

期間については5日から7日程度を目安として示しています。

また学年閉鎖は、複数の学級を閉鎖するなど学年で感染が広がっている可能性が高い場合に実施し、学校全体での臨時休校は、複数の学年閉鎖などが発生した場合に実施するとしています。

文部科学省はこの基準を27日、全国の教育委員会などに通知することにしています。

抗原検査の対象は教職員が基本

国は子どもの感染が増加する中、夏休み明けの新学期にあわせ、9月上旬から幼稚園や小中学校などにおよそ80万回分の抗原検査キットを配布することにしています。

これについて文部科学省は、検査の対象は教職員を基本とするとしていて、児童生徒については体調が悪くなったら速やかに帰宅して医療機関を受診するよう指導することを前提としています。

ただ、自分で検体を採取できる小学4年生以上ですぐに帰宅することが難しい事情がある児童生徒については、検査の対象とするとしています。

検査の実施方法については、教職員は本人が、児童生徒も教職員立ち会いのもと本人が検体を採取するとしていて、教職員が児童生徒の検体を採取することはないとしています。

その上で、抗原検査で陽性となった場合は速やかに帰宅し医療機関で確定診断を行うなどの対応をとって欲しいとしています。