パラ柔道 北薗選手 選手村で自動運転車と接触しけが 試合欠場

東京パラリンピック柔道の日本代表の北薗新光選手が26日、選手村で自動運転の車と接触し、けがをしていたことが分かりました。

北薗選手は体調不良を理由に28日の試合を欠場することになりました。

警視庁によりますとパラリンピックの柔道男子81キロ級の北薗選手は26日午後2時ごろ、東京 中央区晴海にある選手村で、敷地内を走っていた自動運転の電気自動車と接触しました。

柔道の日本代表男子の遠藤義安監督は、27日のすべての試合が終わったあと会場の東京 千代田区の日本武道館で取材に応じました。

この中で遠藤監督は北薗選手が体調不良を理由に26日の計量を行わず、28日の試合を欠場することを明らかにし、事故の詳しい状況については把握していないと説明しました。

遠藤監督は「体調不良での欠場です。本人が倒れたのは事実だが、体の損傷などはなく、けさまでは元気に食事もしていた。しかし、選手村内のドクターとも相談し本人も大事を取りたいということだった。最終的にはきょう夕方、欠場を判断した」としたうえで「選手の中でいちばん調子がよかったほどで出させてあげたかった。前回大会から5年間、必死に頑張ってきたので、本人がいちばん悔しいと思う」と話し無念さをにじませていました。

事故当時は横断歩道を横断中 頭と両足打ち「全治2週間」

この事故で、北薗選手は頭と両足を打って選手村にある診療所に搬送され、全治2週間のけがをしたということです。

一方、電気自動車には大会関係者など7人が乗っていましたが、いずれもけがはありませんでした。

電気自動車は選手や大会関係者向けに選手村の敷地内を巡回していて、北薗選手は当時、横断歩道を渡っていたということです。

警視庁が事故の状況を詳しく調べています。

事故は26日も組織委は27日午前の定例会見で発表せず

北薗選手が選手村で自動運転の車と接触し、けがをしたことについて、大会組織委員会は「選手村の中の医療機関で診察を受けたが、外傷はなく、確認のため精密検査を受けたと聞いている。現在、村内を巡回する自動運転の車のサービスは停止しており、安全を確認したうえで運転を再開する予定だ」とするコメントを出しました。

組織委員会とIPC=国際パラリンピック委員会は毎日、合同で記者会見を行っていますが、27日午前11時の定例の会見ではこの事実を発表せず、報道を受けてコメントを出しました。

NHKの取材に対し組織委員会は「本日、お伝えできることはコメント以上はございません。状況が変わりましたら、改めてお伝えさせていただきます」としていましたが、27日午後11時ごろ、報道各社に追加のコメントを出し、「事故に遭われた方にまずは心よりお見舞い申し上げます。そして関係者の皆さま、サービス停止によりご不便をおかけしている皆さまにお詫びを申し上げます。徹底的に原因を究明し再発防止に努めます」としています。

北薗選手 視力落ち大学からパラ柔道

北薗新光選手は神戸市出身の30歳。視力が落ち大学からパラ柔道に転向し2年後に出場した2012年のロンドンパラリンピックでは100キロ級で出場し7位、2016年のリオデジャネイロ大会では階級を73キロ級に変更して5位に入りました。東京大会は81キロ級で代表に選ばれていました。

開発 運行管理はトヨタ 事故後の運行取りやめ

選手村を移動する自動運転の車を開発し、運行を管理しているトヨタ自動車によりますと、26日の事故以降車の運行を取りやめていて、再開の見通しは今のところ立っていないということです。

トヨタ自動車は「今回、発生した事故の原因特定については、警察の捜査に全面的に協力しています」とコメントしています。

トヨタ 豊田章男社長「大変申し訳ない」

東京パラリンピック柔道の日本代表の選手と、トヨタ自動車が開発した自動運転の車が接触し、選手がけがをした事故について、トヨタ自動車の豊田章男社長は今夜、自社のウェブサイトで「接触事故で多くの方にご心配をおかけして大変申し訳ない」と陳謝しました。

そのうえで豊田社長は「パラリンピックという特殊環境の中で、目が見えない方がおられる、不自由な方がいる、そこまでの環境に対応できなかった」と述べました。