コロナ 東京や沖縄などで高止まりも 39道府県で感染拡大続く

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、東京都や沖縄県などでほぼ横ばいからわずかに減少し、感染者数が多い状態で高止まりとなっています。
一方で、27日から緊急事態宣言の対象となった地域も含め、39道府県で感染の拡大が続いています。

NHKは、各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国 増加のペースは下がるも 9週連続で増加

全国では7月29日までの1週間では前の週と比べて1.69倍、8月5日は1.83倍、8月12日は1.24倍、8月19日は1.38倍、26日まででは1.13倍で、増加のペースは下がっていますが、過去最多を更新し続けていて9週連続で増加しています。

1日当たりの新規感染者数は、およそ2万3035人となっていて、39の道府県で感染が拡大しています。

緊急事態宣言が出されている地域

緊急事態宣言が出されている地域では、東京都と沖縄県、それに埼玉県でほぼ横ばいからわずかに減少しましたが、ほかのすべての府県で拡大しています。

▽東京都は、8月12日までの1週間では、前の週の1.09倍、8月19日は1.20倍と9週連続で感染の拡大が続いていましたが、26日まででは0.91倍と、わずかに減少しました。

1日当たりの新規感染者数はおよそ4353人と、先週より420人余り減ったものの、依然多い状態で高止まりとなっていて、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数も218.88人と、厳しい感染状況となっています。

5月23日から緊急事態宣言が続いている沖縄県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.19倍、8月19日は1.26倍と、6週連続で感染の拡大が続いていましたが、26日まででは0.97倍と、ほぼ横ばいとなっています。

1日当たりの新規感染者数は、およそ647人と、多い状態で高止まりしていて、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は311.49人と、全国で最も高く、これまで国内のどの地域でも経験したことのない規模の感染となっています。

▽神奈川県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.22倍、8月19日は1.21倍、26日まででは1.12倍と、9週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ2510人となっています。

▽埼玉県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.30倍、8月19日は1.30倍と、9週連続で感染が拡大していましたが、26日まででは0.96倍と、ほぼ横ばいとなり、1日当たりの新規感染者数は1623人となっています。

▽千葉県は、8月12日までの1週間では前の週の1.22倍、8月19日は1.41倍、26日まででは1.05倍と、12週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ1467人となっています。

▽大阪府は、8月12日までの1週間では、前の週の1.27倍と8月19日は1.51倍、26日まででは1.33倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は2418人となっています。

▽京都府は、8月12日までの1週間では、前の週の1.42倍、8月19日は1.42倍、26日まででは1.33倍と、9週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ533人となっています。

▽兵庫県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.36倍、8月19日は1.61倍、26日まででは1.27倍と、9週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ954人となっています。

▽茨城県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.20倍、8月19日は1.18倍、26日まででは1.04倍と、7週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ304人となっています。

▽栃木県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.06倍、8月19日は1.29倍、26日まででは1.22倍と、6週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ210人となっています。

▽群馬県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.14倍、8月19日は1.72倍、26日まででは1.18倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ276人となっています。

▽静岡県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.65倍、8月19日は1.84倍、26日まででは1.25倍と、7週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ540人となっています。

▽福岡県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.37倍、8月19日は1.23倍、26日まででは1.15倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は1038人となっています。

新たに緊急事態宣言が出された地域

27日から新たに緊急事態宣言が出された8道県では、すべての地域で感染が拡大しています。

▽北海道は、8月12日までの1週間では、前の週の1.25倍、8月19日は1.33倍、26日まででは1.10倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は507人となっています。

▽宮城県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.90倍、8月19日は1.57倍、26日まででは1.22倍と、4週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ229人となっています。

▽岐阜県は、8月12日までの1週間では、前の週の2.10倍、8月19日は2.86倍、26日まででは1.52倍と、7週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ323人となっています。

▽愛知県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.56倍、8月19日は2.01倍、26日まででは1.79倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は1518人となっています。

▽三重県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.78倍、8月19日は2.19倍、26日まででは2.09倍と、5週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ400人となっています。

▽滋賀県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.68倍、8月19日は1.51倍、26日まででは1.21倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ205人となっています。

▽岡山県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.39倍、8月19日は1.72倍、26日まででは1.15倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ229人となっています。

▽広島県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.49倍、8月19日は2.16倍、26日まででは1.52倍と、7週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は340人となっています。

東邦大学 舘田一博教授「全く楽観できず 危機的状況」

新型コロナウイルス対策に当たる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「首都圏の1都3県だけでなく、愛知を中心とする中部、大阪を中心とする関西、福岡を中心とする九州でも、大都市から周りに感染が波及し全国的な感染の広がりが見られている。全く楽観できず、感染の爆発が続いている状況だ。東京では爆発的な増加が一段落したが、今でも1日4000人を超える感染者が見られており、医療現場のひっ迫は、ますます大きくなっている。今見えている感染者数はお盆の頃に感染した人たちで、一時的に人流が少なくなった影響が東京での横ばいの状態につながっているかもしれない。人が戻ってきて学校が始まるなど、人の動きが活発になると再増加がみられるリスクを考えておかないといけない」と話しています。

そのうえで医療の状況について「今、重症化したケースの3分の2が50代以下で、若い人でも重症化してしまう。いつどこで自分が感染するかわからないし、感染して息が苦しくなって酸素が必要でも受け入れてくれる病院がない、そういう状態が起きつつある。医療機関では新型コロナに限らず、交通事故や心筋梗塞などの患者を受け入れることも難しい状況になっていて、まさに医療崩壊が近づいている。一人一人が危機的な状況にあるということを共有して、基本的な対策を徹底するようお願いしたい」と話しています。

また、舘田教授は「今の対策で効果が得られなければ、各都道府県の知事が地域や業種を限定して休業要請をかけるなどの強い対策を行うことも考えておかなければいけない」と指摘しました。