モデルナ異物混入 “早急な原因究明と再発防止を” 厚生労働相

モデルナの新型コロナウイルスのワクチンの一部に異物が混入した問題で、田村厚生労働大臣は、現時点で健康被害の報告はないとしたうえで、モデルナや、国内での流通を手がける武田薬品工業に、早急な原因究明と再発防止を求める考えを示しました。

モデルナのワクチンをめぐっては8月中旬以降、全国8か所の接種会場で、未開封の容器の一部に粒子状の金属とみられる異物が混入しているのが見つかり、厚生労働省は、同じ工程で製造された163万回分のワクチンの接種を見合わせることを決めました。

田村厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で「異物混入は、ワクチンを接種する人に心配を与えるので、早急に原因を究明し、このようなことがないよう、モデルナと武田薬品工業に再発防止を対応してもらわないといけない」と述べました。

そして、医療関係者による目視の確認で異物の混入が分かれば、使用しない対応をとっているとしたうえで、現時点で健康被害の報告はないと説明しました。

また、今後の供給に影響が出ないよう、ワクチン担当の河野規制改革担当大臣とともに対応を急ぐ考えを示しました。

一方、田村大臣は、千葉県で新型コロナに感染した妊婦の入院先が見つからず、自宅で出産して赤ちゃんが亡くなった問題への対応として、感染した妊婦の受け入れや、分べんに対応した医療機関への診療報酬を引き上げる考えを明らかにしました。

河野大臣“これまでに50万回強が接種”

河野規制改革担当大臣は記者会見で、接種を見合わせることを決めた163万回分のうち、これまでに50万回強が接種されたと明らかにしました。

そのうえで「安全面で大きな問題があるという報告は受けていない。供給面でも、使用を停止した分のあとに製造されたワクチンは問題がないと報告を受けており、接種に大きな影響は出ないと考えている」と述べました。