大阪の病院 “感染者急増で入院までの期間延び 早期治療困難”

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、中等症の患者の治療に当たっている大阪市内の病院では、患者の急増で入院までの期間が延び、早期に治療を始めるのが難しくなっていると危機感を募らせています。

大阪府では、軽症・中等症の病床の運用率が25日時点で76.1%とひっ迫し、中等症の患者を中心に受け入れている大阪 淀川区の市立十三市民病院でも26日の時点で70床の半数が埋まっています。

病院では、重症化を防ぐ目的で2種類の抗体を投与する「抗体カクテル療法」を62人の患者に行い、このうち82%に当たる51人は回復して症状が治まったということです。

治療の効果を得るためには発症から7日以内に行う必要がありますが、7日目に治療を受けた患者にかぎると、6人のうち3人の症状が悪化して酸素投与が必要になりました。

病院によりますと、府内の感染者の急増によって入院するまでの期間が延び6日や7日かかるケースも増えていて、早期の治療開始が難しくなっているということです。

西口幸雄病院長は「病床もひっ迫してきているのですぐに治療を受けられるとは限らない。若い人でも突然重症化するケースがある。可能な人はワクチン接種を受け、感染対策を徹底してほしい」と訴えていました。