月例経済報告 8月 景気判断据え置き 感染拡大で下振れリスクも

政府は、8月の月例経済報告をまとめ、景気全体について「持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」という判断を据え置きました。先行きについては、感染拡大を踏まえ「下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある」としています。

政府は、26日開いた関係閣僚会議で、今月の月例経済報告をまとめました。

それによりますと、景気全体については「依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」というこれまでの判断を据え置きました。

ことし5月から同じ判断です。

項目別では、
▽「設備投資」について、環境やデジタルを中心に積極的な投資が計画されていることなどから、「持ち直している」としています。

一方、
▽「個人消費」は、今月に入ってから低調に推移していて「サービス支出を中心に弱い動きとなっている」としました。

また、
▽「輸入」については、テレワーク向けに増えていたパソコンなどの需要に一服感がみられることから「このところ持ち直しの動きに足踏みがみられる」と判断を引き下げました。

そのうえで先行きは、各地で緊急事態宣言が出されたことを踏まえ「感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある」として、新型コロナウイルスによる景気への影響に警戒感を高めています。

西村経済再生相“アジアでの感染拡大 影響を警戒”

今月の月例経済報告について、西村経済再生担当大臣は「好調な企業収益を背景に、デジタル化やグリーン化への対応など企業の設備投資の意欲は非常に強いものを感じている」と指摘しました。

一方、今後の経済の先行きについては「マレーシアやタイ、ベトナムなどアジアの国々では新型コロナウイルスの感染が急激に拡大し、工場が止まっているところもある。アジアに展開している日本企業のサプライチェーンに与える影響を十分警戒していかないといけない」と述べ、アジアでの感染拡大による影響について警戒感を示しました。