自民 総裁選に向けた動き本格化 岸田前政調会長は立候補を表明

来月末の任期満了に伴う自民党総裁選挙について、岸田前政務調査会長は記者会見で、「自民党が国民の声を聞き、幅広い選択肢を持つ政党であることを示す」と述べ、立候補を正式に表明しました。

自民党の岸田前政務調査会長は国会内で記者会見し、「自民党に、声が届いていないと国民が感じ、政治の根幹である信頼が崩れている。自民党が国民の声を聞き、幅広い選択肢を持つ政党であることを示すため、総裁選挙に立候補する」と述べ、総裁選挙への立候補を正式に表明しました。

そして、去年の総裁選挙で菅総理大臣に敗れたことについて、「私自身の力不足だった」と振り返ったうえで、10年余りにわたって国民の声をノートに書きためてきたことを明らかにし、「改めてノートを読み返し、やるべきことがあると感じている。国民の声に耳を澄まし、政治生命をかけて新たな政治の選択肢を示す」と強調しました。

一方、岸田氏は、党の信頼回復のために改革を断行するとして、党役員に中堅や若手を登用し、任期を連続3年までとするほか、政治とカネの問題を国民に丁寧に説明し、透明性を確保すると訴えました。

また、新型コロナ対策については、「『多分よくなるだろう』ではコロナに打ち勝つことはできない。人流の抑制、病床や医療人材の確保などに、国や自治体がより強力に取り組めるよう法改正を検討する」と述べたうえで、幅広い分野の専門家による新たな組織を立ち上げ、社会経済活動の在り方を検討する考えを示しました。

さらに、経済政策では「新しい資本主義を構築する」として、中間層の拡大に向けて所得を引き上げる「令和版所得倍増」を目指すとともに、社会のデジタル化によって都市と地方の物理的距離を乗り越える「デジタル田園都市国家構想」を実現すると訴えました。

そして、「党員投票も含むフルスペックで行われる選挙であり、まず向き合うのは国民であり党員だ。去年の選挙から1年間、厳しい声もたくさん聞いたが、それをエネルギーにして発信力をしっかりと発揮したい」と決意を示しました。

岸田氏は、衆議院広島1区選出の当選9回で、64歳。

平成5年の衆議院選挙で初当選し、これまでに外務大臣や党の政務調査会長などを歴任しました。

総裁選挙への立候補は、去年の選挙に続き、2回目となります。

高市前総務相 推薦人確保へ働きかけ本格化

来月末の任期満了に伴う自民党総裁選挙について、高市前総務大臣は、党本部で記者団に対し、立候補への意欲を重ねて示したうえで、必要な20人の推薦人の確保に向けて働きかけを本格化させると強調しました。

この中で自民党の高市前総務大臣は、総裁選挙の日程が決定したことについて、「いよいよキックオフだ。精いっぱい、多くの同志に政策を伝え、賛同をお願いしていきたい」と述べ、立候補への意欲を重ねて示しました。

そして、「私が燃えるような思いで立候補したいと思ったのは、安倍内閣がやり残した案件がいくつもあるからだ。2%の物価安定目標の達成や、中国への機微な情報の流出を阻止するための法整備などをしっかり引き継いでいきたい」と述べました。

そのうえで、立候補に必要な20人の推薦人の確保について、「きょうまで活動を慎んできたが、驚くほどたくさんの議員から『頑張ってくれ』などと電話をもらっている。きょうから電話をかけ直すなどして、1人ひとり丁寧にお願いしていきたい」と述べ、働きかけを本格化させる考えを示しました。

下村政務調査会長 立候補に向けた準備強調

自民党総裁選挙をめぐって、下村政務調査会長は立候補に向けた準備を進めていると強調し、立候補する場合は、政務調査会長の職務をほかの人に委ねたいという考えを示しました。

自民党総裁選挙への立候補に意欲を見せている自民党の下村政務調査会長は、26日午前、東京都内で記者団に対し、「同志から『総裁選挙に出るべし』という声があり、できるだけ早く関係者の理解と協力を得られるよう進めている」と述べ、立候補に向けた準備を進めていると強調しました。

一方、党内から、党三役は立候補を自重すべきだという声が出ていることについて、「平時であれば党三役の立場では総裁選挙に出ないという考えもあるが、今はある意味で国家危機だ。政務調査会長として新型コロナ対応をやってきたが十分でないと思っていたことがたくさんある」と述べました。

そのうえで、「最後まで仕事はまっとうしていくが、いざ総裁選挙に出るということになれば、代理の人を立てて党の政策の停滞を生まないよう責任を果たしたい」と述べ、立候補する場合は、政務調査会長の職務をほかの人に委ねたいという考えを示しました。

所属派閥に影響力ある安倍前首相と会談 理解と協力求める

下村政務調査会長は26日夕方、東京都内の安倍前総理大臣の自宅を訪れておよそ40分間会談し、立候補への理解と協力を求めました。

安倍氏はすでに菅総理大臣の再選を支持する考えを示していて、先週下村氏と会談した際には「すぐ応援するという状況ではない」と伝えていました。

下村氏としては、自らが所属する細田派に影響力を持つ安倍氏をはじめ、派閥幹部への働きかけを続け、立候補の環境を整えたい考えです。

二階幹事長は菅首相の再選支持表明 派閥の対応は今後決定

自民党の二階派は、すでに二階幹事長が派閥を挙げて菅総理大臣の再選を支持する考えを示しています。

一方で26日、二階氏が欠席する中、開かれた派閥の会合では、一部の出席者から「派閥のメンバーからも意見を聞き取ったうえで丁寧に方針を決めてほしい」といった意見が出され、派閥としての正式な対応は、今後、改めて決めることになりました。

石原派 会長に対応を一任

自民党の石原派は26日午後、派閥事務所で会合を開き、総裁選挙への対応を協議し、会長の石原元幹事長に対応を一任することを確認しました。

このあと、石原氏は記者団に対し、「今回は非常に特殊な事態であり、新型コロナはいまだ収束が見えず、衆議院議員の任期満了が迫っている。党員投票を実施して総裁選挙をやることは非常に意味があるが、私どもは、引き続き菅総理大臣をしっかりと支えていきたい」と述べ、菅総理大臣の再選を支持する考えを明らかにしました。

竹下派 所属議員の意向確認へ

自民党竹下派は、国会内で会合を開き、会長代行を務める茂木外務大臣は、体調を理由に静養している会長の竹下元総務会長からの伝言を紹介し、「竹下氏からは『基本的に菅政権を支えるということに変わりはないが、全体の状況もあるので、しっかり見極めてもらいたい』という指導を頂いている」と述べました。

そして、総裁選挙への対応については、今後、所属議員の意向を確認したうえで、検討していくことになりました。